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靴を作るのだその3 |
(前回までのあらすじ) タップシューズにあのグラスファイバー製のヒールをつけるべく行動を開始したmoriy。大きめのピースが手に入れば加工できるかも知れないという大木シューズさんの言葉に、さっそくピース探しをはじめたのだが・・・。 さてどうやって大きいヒールピースを手に入れるか。 いままでつきあいのある業者といったらRutherfordかAntonio Pacelli。写真を見ていただければわかると思いますが、ヒールの大きさでいえばRutherfordのほうが大きいです。といってもタップシューズ標準からいえば小さめなんですが・・・。 と、いうことはRutherfordの大きめ(28cmとかね)のハードシューズについているヒールなら、自分のサイズ(26cm)のタップシューズに合うのではないかと。
「どうしたの!? あなたの靴になにかマズいことがあったの!?」 「いや、Rutherfordさんの靴は非常に素晴らしいんですが(ストラップは飛んだけど・・・)、ハードシューズのヒールだけ欲しいなあ、と」 「こわれてるんなら直したげるから送ってちょうだい」 「別にこわれてるんではなくて、この部品だけ売って欲しいんですよ」 「何に使うの?」 「そりゃ、靴のかかとに」 「うちのヒールはひとつひとつの靴に合わせて加工してるから、よその靴には合わないわよ」 「じゃ、かたまりで送ってもらってこっちで削るっていうのは?」 「そう簡単に削れないと思うけど・・・」これは確かにその通り。 「・・・じゃ、加工できるかどうかは別として、あの素材だけ手に入れることはできます?」 「ん・・・・」 ここらへんのやりとり、Rutherfordにしてはめずらしくレスポンスに時間がかかってます。 「上の人に聞いたんだけど、やっぱり無理みたい」 ありゃ、それはどうもお手数をおかけしまして・・・。 どうもお金とか手間とかいうより、社是としてちゃんとした製品以外は売らない、という職人のこだわりのようです。 うーむ。ファイバーの積層が手に入らないのであれば、代替可能な素材を探すしかない。 といって素材屋に知り合いがいるわけでもなし。グラスファイバーって、釣り竿に使われてるくらいしか知らないんですけど、どなたか積層の固まりとか手に入りませんかね? 大木シューズさんでヒールチップの型(1号)を紙に写させてもらって、とりあえず東急ハンズへ。素材コーナーでいろいろ触ったりたたいたりして見つけたのがこの素材。ついでにタップチップと同じ大きさに加工してもらいました。 これはコーリアンという素材。大理石のような質感で粘りのある固さ。酸にも強く、人工大理石としてキッチンやバスに使われているデュポン社の・・・なんてことはここでは関係ない話ですな。 右がコーリアン(13mm厚で600円。上の大きさのチップが3枚取れる大きさ)、左が普通の硬質塩化ビニル(10mm厚で1,700円。大きさは同じ)。RutherfordやPacelliのハードシューズのヒールの底、床に当たる部分はこちらの塩化ビニルでできてます。 このふたつの素材を張り合わせて(もしくはコーリアンだけを)穴を開け、タップシューズの革のヒールにねじ込み、さらにtaps(タップチップ)をくっつければ何とかなるのではないかと目論んだわけです。ところが。 このコーリアン同士を当てると結構高い音が出るんです。それで面白がってかちかち打ち付けて遊んでたら、ふちのところからポロポロと欠けてきてしまいました。手でぶつけてもこれですから、穴を開けて足で思い切り打ち付けたら、割れる可能性もあります。これでは使えない。 ・・・・うーむ、ヒールピースは手に入らず、代替素材もいいモノがないとなっては、結局靴の自作は不可能なのか・・・? |
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