『今年の6月に(山梨放送を)退社して7月からアイルランドに留学する事にしました。最低一年は行ってくるつもりです。わっはっは。行っちゃいますよー、10年来の憧れのかの地に・・・友達は「なんだってアイルランドなの?」って聞いています。「それは私の趣味だからさ!」 名付けて「西川紀代美2000年風来坊化計画 in Ireland!」』
と、いう言葉を残してふらりふらふら風来坊、ダブリンに行ってしまった西川紀代美さんからお手紙が届きました・・・。
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Vagabond in Dublin:
1. マイケルの記録破られる!? 2. イニシュモア旅行記 3. Irish好み・言葉編 4. Vagabond in Scotland 5. PUBに行かなくちゃ!!! Riverdance the Homecoming (1), (2) 山梨放送 Goo! Morning (1), (2) |
■第3回:Irish好み・・・言葉編 Sat, 4 Nov 2000 16:58:41 GMT 「アイリッシュの英語は訛りがひどい」と言われているのは有名な話で、確かにアクセントは強い。アメリカン・イングリッシュで英語教育を受けた日本人にとって、聞き取りづらいのも確かだ。しかし、馴染んでくるとなんともステキな英語をアイリッシュ達が使っているのに気付いてくる。今回は英語の辞書にも載っている特にアイルランド人が好んで使う言葉を紹介しよう。 ●Lovely ! アイリッシュは「可愛い!」を表現するのに「cute」(キュート)とはまず言わない。とにかく、「可愛らしい何か」を見て「How cute!」と言っても「何言ってんだ?」って目で見られてしまう。可愛いものはアイルランドでは絶対に「Lovely !」なのだ。 ほかの場面では、スーパーなどで買い物をする。ちょうどピッタリの金額を渡せたときもレジの係は「Yeah, lovely」と言う。「ちょうどです。ありがとう」のニュアンスなのだが最初は少し照れたりもした。
●Gorgeous! 「ゴージャス」なものをまず頭に思い浮かべてもらいたい。 そう、英語の辞書で「ゴージャス」を引くと「豪華な、絢爛たる、派手な、素晴らしい、美しい・・・・」など、やけにギラギラしているこの言葉を、アイリッシュはごく普通に誉め言葉に使っている。 私がこれまで、何に対してゴージャスと言われたかというと、八ヶ月の姪っ子の裸の写真・・? 滞在している家族にふるまったソーメン・チャンプルー・・? 新しく買った歯ブラシ・・? すべて「It(She)'s gorgeous !」なのだ。語感的には「いいじゃない、いかしてるよ」くらいのものだろうが、やはりこれも戸惑った。いいものはいいって素直に表現するアイリッシュの気質が出ているではないか。ちなみに、彼氏が彼女に、夫が妻に「Hi, my gorgeous !」などとも言ったりもする。いいねぇ、いいねぇ。
●Brilliant! ダイヤモンドの「ブリリアント・カット」のブリリアント。 また辞書をみてみると、「輝かしい、きらめく、立派な、華々しい・・・」とこれまた豪華絢爛な美辞麗句のオンパレードに訳されているこの言葉もアイリッシュの間ではごくごく普通に使われている。 例えば、こんなカンジ。 アイリッシュの友達と・・・ 「週末、どこ行ったの?」 「パブに行って、クラブに行って朝まで踊ってた」 「朝まで?ブリリアーント!!」 「U2はどこ出身か知っている?」 「もちろんダブリンでしょ?」 「ブリリアーント!! You are very nice !」 「すごいねぇ」「やるねぇ」といったところか?。
●Absolutely アメリカン・イングリッシュに比べて、アイルランドで最も使用頻度が多い言葉のうちの一つがこれ。高校英語では「絶対に〜ない」の構文で憶えた人も多いのでは?アイリッシュの間では、「アブサリュートリィー」はそんな枠を完全にとっぱらってしまっている。何かを思いきり強調したい時、この言葉はこちらでは重宝している。日本では「超〜」って言葉が若者の間で使われて久しいが、アイルランドでこの言葉に相当するのがこれじゃないかな? 「アブサリュートリィー ビューティフル!」(超すんばらしいぃ!) 「アブサリュートリィー ホリブル」(もぉ、超最悪・・) これで、語感はつかんで頂けた?
●Beautiful ! 「ビューティフル!!」もしょっちゅう使われる言葉。 特に洋服など身に着けているものを褒めるときに用いられる。たとえそれが、ニットの手袋であっても、イケていれば「ビューティフル」。それから、晴れた日も「Fine day」ではなく「Beautiful day」で表現される。なんとも何もかもにツイていて、ステキな一日になりそうな感じがするではないか。U2の新しい曲も「Beautiful Day」でしょう??
●That's grand . グランド・・・なんていうと、結婚式場のあるホテルの名前など想像してしまう。 辞書には「壮大な、偉大な、重大な」という重々しい言葉のこれまたオンパレードだが相槌のように、アイリッシュの間ではこのフレーズが使われる。 感覚的には「あら、そりゃよかったねぇ」とか「あっそう、いいじゃん」(あぁコレは甲州弁か?)くらいの軽さ。辞書には口語で「ステキね」などともあったが、ニュアンスはもっとカジュアルである。 「今日は電車で座れたんだよ。」「That's grand.」 「ギネスおごるよ」「That's grand.」 さらりとさりげなく言うと、より本物っぽくなります。大きな抑揚を付けずに「ザッ グラン」というのがコツ。アメリカ英語では「I see」にあたるのがこの「That's grand.」ではなかろうか。 【応用はアナタ次第】 リバーダンスの日本公演ももうすぐ。ワクワク・・・と楽しみにしている人も多いだろう。ぜひぜひ、これらの言葉を参考にダンサー達に賛辞の言葉を送って頂けたらと思う。ちなみに、アイリッシュ特有のボディー・ランゲージで「スゴイねぇ、やったじゃん」を表すには、まず両方の親指を立てて握りこぶしを作り、その手を腰に持ってくる。そのまま、下に向けて両腕を下ろすと「きゃー、私すごく感激しちゃったー!!」の意味になる。 (moriy注:これ、「腰から下」ってのがなんとなく想像しにくかったので、西川さんに補足をお願いしました・・・ああ、写真が欲しい!)(と、書いたら写真も送っていただきました)
言葉だけの補足になりますが、まず両手の親指を立てた握りコブシを、胸から腰にかけての高さに持っていきます。
そのまま腕を下に向かって軽く曲げ伸ばしするように、「イエイ、イエイ」とやる・・・ってカンジなのです。とにかく、相手に向かって親指立てた握りこぶしを動かしてアピールできれば良いのだと思います。ただ真っ直ぐ前に突き出すのではなく、下のほうに向かってなんどか突き出す、つまり曲げたひじは胸の前で、上下するようなカッコウになりますね。 おわかりいただけましたでしょうか?? (と、さらに写真も送っていただきました。)
アイリシュの英語の先生トレースにモデルになってもらい、(そもそも教えてくれたのも彼女です)、撮影してみました。
おどけているポーズもわりとみんなしてます。面白い話をしていて「なにそれおっかしーーー!!」って時に、こんなカンジのポーズをします。
紹介した言葉をみなさんなりにアレンジして、ステージに送ってみたらどうだろうか?ダンサーのほとんどがアイリッシュ。世界共通の「ブラボー」ももちろんワールド・ツアーに慣れた彼らには充分伝わるだろうが、彼らの心にダイレクトに届くであろう言葉は、母国で親しんだ言葉に違い無いだろう。
【最後に・・・・・】 以上はほんの一部。アイリッシュの使う英語はアメリカの英語に比べてとても素直でずっしりしている。アイリッシュの好んで使う言葉に触れていると「何かを率直に受け入れる」気持ちを持ちつづける自信を失いかけた時、シンプルにあっさりと、そこから抜け出せる良い方法を提供してくれるような気がする。 とにかく、皆さん楽しんで下さい。「リバーダンス」の日本公演。アブサリュートリー・ビューティフル、ブリリアント、ゴージャス、そしてラブリー、な時間が過ごせることでしょう!!! ではまた。 読んでくださった全ての方に愛を込めて ダブリンから Kiyomi |