コラム:靴を作るのだ(5)
「・・・なんですか?」
「洋行ダブリン篇で紹介した郵便局前のチャリティ。もう1枚写真があったんでね」
「こっちのほうがいかにも踊ってる感じでいいじゃないですか」
「うん・・・石畳に直接じゃなくて、木の舞台を作ってたからハードシューズもありなのかなと思ったけど、なかったな」
さて、地図を片手にダブリンを歩き回ってたmoriyなのですが、その地図上には青いボールペンで印を付けたあるポイントが。
前回、FREEDの「アイリッシュっぽいタップ靴」がダメになって、どうしたものかと思ってたんですが、それならそれで、ふつーのアイリッシュの靴で、自分の足にぴったり合うものを探そうかと、一応Irish Dancing Magazineとかで広告載せてる靴屋さんの住所はチェックしていたのですね。
で、現地に行って地図買って調べると、そういうお店はほとんど郊外とか地方都市だったりするんですが、Fay'sというお店だけはダブリンの街の中にあるんですね(もちろん、広告を載せてないような靴屋さんは街じゅうに結構あります。わたしが知らなかっただけで)。
Fay's。以前アメリカの方のお店に通販の問い合わせをしたこともありますし、実技班講師のSHOさんが持ってる靴もそこのだったりして、知らない名前ではありません。しかもSHOさんの話でも、桝田パパさん情報でもFay'sというのはかなり融通のきく靴屋さんらしい。
で、あれば。
今度は「タップっぽいアイリッシュ靴」ってのをお願いできないものか。ファイバーのヒールをタップシューズにくっつけるのではなくて、逆に普通のハードシューズからトゥピースを抜いてもらって、そこにTapsをくっつける。
さっきの中央郵便局をすぎて、O'Connell St.を北に5分ほど歩く。通りの右側にこんな赤いひさしのお店がある。
この角を右へ曲がるとGreat Denmark St.
グレートっていうからどんな大通りかと思ったらめっちゃ寂しい通り。人通りもほとんどなし。
この緑色のペンキのお店がFay's Dancing Shoesダブリン店。これは夕方撮ったんでシャッター閉まってますけど、わたしがたどり着いたのは昼の12時近く。
99年の10月からFay'sは下記の住所に引っ越してます。
Fay's Dancing Shoes
54 Lower Dorset Street, Dublin 1
ドアを入ると、いかにも工房、という雰囲気。
万力やらドリルみたいのやら、奥の方でも各種電動工具が動いている音が聞こえる。
やせ形の若いお兄ちゃんがひとり。「靴を注文したいんだけど」と言うと、奥からゴツいオジさんが出てきた。
「靴を1足お願いしたいんです。で、それを日本に送ることできます?」
「オッケー。何の靴?」
「ハードシューズを」
「え?」
「ハードシューズです」
「?」
「ジグシューズとも言うみたいですが」
「ああ、Jig Shoesね。サイズは?」
「え?」
「サイズ」
「えーっと、たしか8か8 1/2くらいだと」
「オッケー。8のやつ持ってくるよ」
このひと(名前は聞かなかったけど)、やったら「OK!」連発するんですよね。大丈夫かなあ。
「え・・・どっちが?」