LOTD2000:1/26夜:それいけデズモンド

 
Jan. 2000
posted by moriy

東京国際フォーラムの足元から照り上げる蛍光灯のせいで、開場を待つ人の顔が険しげに見える。なんとなく年輩の方が多いような気がする。

なんか、こざっぱりしている。派手なポスターも貼っていないし、有名人からのお花もない。そういえばダフ屋の姿も見かけなかったな。去年のRiverdanceのときもそうだったけど。

「ロビー開場となっておりますので本開場までロビーでお待ちください」
「ロビー開場」なんて言葉があったのか。

階段を上って、2階ロビーにはグッズ売場。スポンサーであるところのLuxスーパーリッチの展示がある。なんか、シャンプー配ってたっていうけど、難しいなあ。Riverの時はネスカフェのコーヒーが好評だったけれど、髪の毛洗ってもらうわけにも行かないし。

グッズ売場へ。お、これはなかなかの品揃え。とりあえず黒のTシャツ2枚とプログラム2冊。キャップも買ったらもう11,500円。こういったいわゆるグッズ類を売るところと、CD・VIDEOを売る場所は仕切りで別々に分けられている。話題の日本版CDも買っておこうかな。

ホールに入る。ステージ両脇の壁面にはスピーカーが積み上げられ、その隣には大きなスクリーンが上手・下手それぞれ1枚ずつ立っている。舞台にはちょうどドーム球場を垂直に切ったような構造が作られ、天井からつり下げられている屋根部分はいまは床に下ろされた状態。

プレスのカメラ用ブースにはNHKのたまごのマークがついたカメラが1台。すぐにいなくなっちゃったけど、何を撮りに来たんだろう? 舞台のすぐ下にもテレビカメラが上手・下手に1台ずつ。

床の材質はRiverの時とほとんど同じ。前(客席側)には黒い布が敷いてあって、かなり奥行きを狭めて使っている感じがする。ためしに2階席に上って見てみる。舞台が狭い、というかセットが大きいというか。


開演のブザー。英語でのナレーション。そして暗転。

一歩ずつ、女性ダンサー陣が静かに舞台に登場し、横たわる。「Cry of the Celts」Little SpiritことHelen Eganちゃんのティンホイッスル。吹き口は緑色。金色の粉を振りまくとダンサーが起きあがる。久しぶりに生のソフトシューズのステージ。ちょっと鳥肌。

ステージ両脇のスクリーンには同じくステージ下のカメラの映像が映し出される。細かい足の動きなんかはスクリーンの方が見やすいのかも。

急にリズムが変わって激しいドラム音。来た! 特番でおなじみ、Desmond Bailey!!

今回の公演で何が気になるといって、やっぱり「Michael FlatleyのいないLOTDは本当に成り立つのか」ということだと思うのですね。もう世界中何百万という人がマイケルのLOTDをビデオで見てしまっていて、その中、Lord of the Danceとして舞台に上がるダンサーのプレッシャーはどれほどのものか。

デズモンドさんの若々しいスタイルは非常な好感。それを意外と思って見てしまうのは、やはり自分もマイケルさまの憎たらしいまでの存在感に支配されてしまっているということか。

デズモンドさんを中心とした群舞へ。あまりにあからさまなタップ音の足パク。無理して音に合わせて足を動かしている(音はできるだけ出さないようにしてるのでは?)のが気持ち悪い。

キメどころのポーズ。どうしてもビデオのマイケルさまとダブってしまう。デズモンドさんには似合わないと思う、けれどかっこわるいわけじゃない。不思議ですね。はじめて見た人はどんな感想を持つんだろう。

「Celtic Dream」のソフトシューズはその点、安心して見ていられる。非常に美しいソフトのムーブメント。「Warriors」、「Gypsy」。ダンサーがみんな若く見える。実際若いんだろうけれど。「Gypsy」のKellyさん(で、いいんだよね?)(00.2.4注:うそうそ、Gillianさん、で、いいよね?)、顔に幼さが残っていて、あの妖艶な振付でもなんか、健康的。

ここまでずっと、客席はおとなしいまま。年齢層から見ても無理はないのかな。「String of Fire」のフィドルコンビでちょっと盛り上がるけど、まだ不完全燃焼。

ボリュームをどう調整しているかわからないけれど、どの曲もあと4エイトで終わるぞ、みたいなところで不自然にボリュームを上げて無理に盛り上げようとしているように感じたのはわたしだけ?

「Warlords」。ビデオで、マイケルさまが女の子にちょっかい出すところあるでしょう? あそこ、Desmondくんも同じようにするんですけど、彼がやるとなんか、逆に女の子にあやされてるみたいに見えるんですよね。変な言い方かも知れないけれど、とても、可愛い。マイケルさまのフェロモン噴出キメキメポーズも、Desmondくんがやると、背伸びしたがる男の子っぽくて、やっぱりかわいい。微笑ましくなっちゃって。

そう思いながら見てると、「Lord of the Dance」の黒地に赤の衣装が、中学のジャージに見えてくる(^_^)。がんばれ中ボー!

しかしこの中ボー、タダモノではなくて、細い身体がシャープに動き、恐ろしいスピードで跳びまわる。音量なんか足りなくていいから、録音済みタップ音ではなくて本人のフットパーカッションが聴きたい。


休憩のあと、第2部へ。ストーリーは展開し、コークで見た二つ折れホイッスルはDesmondくんの器用な手の中で復活する。

「Lament」の弦パクもすごかったなあ。

「Siamsa」蛍光の素材で作った衣装が暗い舞台の上でぼうっと光る。やっぱりこういう単純な、ソフトシューズ中心の曲の方がいい感じで見られる。ただもうちょっと派手な色とデザインにした方がいいのではないか知らん? くすんだポロシャツは普段着のようにも見えなくはないぞ。

LOTDことDesmondくんが悪モンにつかまって、あわや射殺、というところで妖精Helenちゃんが魔法で・・・Desmondくん下手から復活! あ、上半身ハダカじゃないじゃん(+_+)!! やはりあの露出趣味はマイケルさまのものだったか。

一騎打ち。ああ、このシーンもやっぱり生のタップ音で聴きたい。DesmondくんはFOF的クリックの応酬ではなく、高速タップで悪をやっつけてました。

そして勝利。エンディング。Desmondくん、腰をマイケルチックに振るんですけれども、やっぱりかわいい。ちょっとクスクスっと笑い声が聞こえたけど、ビデオ見たことある人だな。Riverdanceの時とはまた違った意味で、拍手せずにはいられませんですわ。もう、こう、がんばれーって。

そういう気にさせるDesmondくんのチャーミングさってのは、やっぱりスゴイ。

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