ライブ&レポート:友情の翼 - THE BRYLCREEM BOYS -
われらがアイドル、Jean Butlerさまの映画初出演作品なのだ。
しかもけっこうドキドキなシーンがあるのだ。
Jeanさまのダンスも見られるのだ。
どーだまいったか。
舞台は1941年、第2次大戦のヨーロッパ。
連合軍のカナダ人パイロット、マイルスはドイツ軍の攻撃を受け、パラシュートで脱出する。
地面に降り立つと犬の吠える声。
マイルスは焦って走り出す。途中出会った少年に、港への道を聞くマイルス。と、少年の帽子の下から、豊かな赤い髪がこぼれる。「あ、女性でしたか・・・」
(あ、ジーンさま染めたのね・・・、照明の問題かも知れませんけど、Riverdanceのビデオに較べてかなり色が濃くなってる感じ)彼が降り立ったのはアイルランド。当時中立国とはいえ微妙な立場にあったアイルランドは、領内に入って来たドイツ・イギリス(連合国)双方の兵士を捕虜として同じ収容所に入れることでその中立性をアピールしていた。(このシチュエーションの面白さがこの映画の本質!)
収容所に入れられるマイルス。同時に入所したのは、まさに彼を撃墜し、彼の同僚を殺したドイツ人パイロット、ルドルフであった。
ある日競馬場に出かけたマイルスは、赤毛の娘マティに再会する。レース後、負けた馬の処分について馬主と争っているマティを見かけたマイルスは、その馬を買い取ってマティに預ける。
で、このあとは、マティと馬と、お互いのプライドをめぐってマイルスとルドルフが争い、そのうちにお互いに奇妙な友情を感じ始める・・・という、まあお決まりのおはなし。ストーリーの面白さとか、テーマ性とかで見せる映画ではありません(というか、ストーリーは不可解なことばかりです)。あえていえば描写で見せる映画ですね。
収容所内での、同じ行事に対するイギリス(連合)兵、ドイツ兵の行動の対比があまりにわかりやすくて面白いですね。たとえば、ドイツ兵は一日中ガシガシ行進しているのに対し、連合側は野球して遊んでる、とか。
・連合軍=自由・奔放・ユーモラス・・・
・ドイツ軍=厳格・規律・狂信的・・・
これもまたお決まりですよね。しょうがないのかな。
それにしても、JAROに電話したくなるくらいいい加減な展開が気になります。
マイルスってけっこうイヤなやつなんですよ。まっすぐっていえばまっすぐなんですけど、ドイツ人に対する敵愾心むき出しで、なにかってえと騒ぎを起こして、第3者であるアイルランド人のマティたちから見たら、迷惑なやつです。
一方ルドルフは常に紳士的で、他の人を思いやる、真の貴族的精神の持ち主って感じの人なんです。
で、そのルドルフは馬の取引の関係でマティとのつきあいがあるんですけど、マイルスはそれが気に入らなくて、二人の馬にバイクでつっこんでみたりするんです。(子供みたいでかわいい、って言い方はあるかも知れないな。女性の方の意見求む)
その後、バイクでケガをしたマイルスを、マティは自分の家につれてって、そこでまあ、ふたりはよろしくやるんですけど、そこまでの流れの説明的なことといったら!(子役のセリフ最低!)
あのなあ、「縫わなきゃいけないわね」っていうケガしてる男とだな、しかもついさっきまで大嫌いっつってた男とだな、そういうこと、するか? 傷はどうするんだ傷は!! 脈拍が上がったりいろいろ大変、いや、そんなことはどうでも・・・でもやっぱり負担が少ないように工夫して、いやいやいや、ダメだ!みんな想像するな!!
どう考えても、あの出来事の前から、ふたりはデキてたとしか思えない。
さて、その話はこっちに置いといて、お待ちかねダンスのシーン。
ある夜、村のパブらしきところで催されたダンスと音楽の夕べ。バウロンとアコーディオン、フィドルの演奏をバックにケイリーダンス(2ペア4人が何列にもなって、hop・1・2・3から7&3sのサイドステップ・・・)が行われている。
続いて、リクエストに応えてマティことジーンさまがソロを踊ります。ハードシューズでのリールです。ここはもう完全に空気が一変して、すーばらしいです。
(白黒で不鮮明ですけど、AFI International Film Festivalのページにこのシーンの画像があります)(00.8.9追記:このページ現在Not Foundです)
演奏の雰囲気も・・・あれ、アコーディオンの人の、にこーっというこの素敵な笑顔はどっかで見たことあるような・・・と思ってたら、シャロン・シャノンさんじゃないですか。最後のスタッフロール見たら、バウロンはドーナル・ラニー御大、フィドルはナリグ・ケイシーさん!! ちょこっとしか見えなかったんでわからなかったけど、これはびっくり。
ダンスは続いてハードシューズの男性4人(含ブレンダンさん・・・のはず)(2008.6.1注:すいません、別の人でした。訂正します)の激しいアカペラになります。この打撃音をバックにマイルスとルドルフの殴り合いが始まるんですが、この演出は格好いいと思います。
(なんで戦時下に若い男が4人、揃いも揃ってこんなにダンスがうまいんだとか、マイルスとルドルフのケンカの顛末のへぼさ加減とか、そういうことは別にして・・・。)
このダンスシーンだけでもわたしは満足です。ビデオ買うかも知れません。
どーして、マティはマイルスごときに惚れたのか。
観た人にだけわかるmoriyの個人的結論。
「出会いが良すぎた」
・・・つまり、マティは見ていた、と。
(やな結論だなあ。)
友情の翼(THE BRYLCREEM BOYS)
1996年 イギリス 1時間47分
新宿シネマカリテにて上映
98/10/17〜/30
11:30/13:55/16:20/18:45〜20:50