ビデオ・CD:Waves
先日の洋行で買ってきたビデオであります。
制作の背景が全然わからないので、大したコメントもつけられないんですが、紹介だけしてしまいます。追加情報があれば書き足しますし、もし読者の中でくわしい方がいらっしゃったら教えてください。
「RTE(アイルランドのテレビ局)プレゼンツ」と銘打っているので、何らかの特別番組として作られたか、ビデオ用の企画として開催されたかしたんでしょう。
19世紀半ばのジャガイモ飢饉の苦しみの中アメリカに渡り、新しい土地でもアイルランドの伝統を忘れずに生きていく家族の姿を描いたセリフなしミュージカル、といったところでしょうか。ちょっと教育テレビ的な無理やりさを感じる内容(エンターテインメントとしては少々退屈)ですが、ダンスシーンはいっぱいあります。
各シーンの間には、色鉛筆で書いたようなタッチの波のアニメが流れ、そこに各場面を説明するナレーションが入ります。舞台では説明やセリフは一切なく(歌はありますが)、すべてマイムで表現されます。以下の説明もかなりの部分を推測で書いてます、あしからず。
TVスタジオらしき広いに舞台(5m*8mくらい)があって、上手に出入り口があり、対面にオーケストラの人たちが並ぶ。手前と奥が客席。でも演技はすべてカメラ側をむいて行われるので、奥の人は背中しか見えない・・・スタッフなのかな?
ビデオのジャケットには演目が書いていないので、場面ごとに(ナレーションが入ることに)切ります。
舞台はまずアメリカ。ジャズダンス対アイリッシュダンス。
Tシャツとかの普段着でハードシューズはいてるのって、なんか変な感じです。おそらくは現代のアメリカの街角というような設定なんでしょうが、こんな集団、いるのか?
いまはこうやって楽しくやっているけど、君たちの先祖はねえ・・・という回想として物語が始まるようです。
場所は変わってアイルランドのとある田舎。登場する男女10人。いかにもフォーク、というような19世紀的衣装にハードシューズ。この衣装は結構いいです。
jigの曲にのってハード&ソフト&途中からはいってくるバレエの競演。音楽はいわゆるトラッドをオーケストラで演奏する形。派手なエレキや変拍子は入ってきません。
求婚の歌。白髪の男性(Tommie Makem)と黒髪の女性(Cathy Jordan)のかけあい。歌もやっぱりトラッドっぽく、ほとんどアカペラに近い形で歌われます。
ある男と女の出会い。タオル持ってる女の子にちょっかいを出す男。ソフトシューズでリール。途中でバレエっぽくなったりします。このふたりが物語の主人公、Jonnie(Liam Harney)とMaire(Rebecca Cissne)。
主人公2人のダンス。完全にバレエです。
ふたりが結ばれ、子供がうまれ、家族になっていきます。
女性4人による農作業のシーン。収穫の動作のマイムが続きます。
しかしジャガイモが・・・(ウイルスに冒されつぎつぎと腐っていく、と)
Cathy Jordanさんの歌。
窮乏。借金の取り立てか、紳士風の男性がJonnieとMaireの家を訪れる。Maireが大事にしていたフィドルを手わたすも、地面にたたきつけられ、家を追い出される。
やせ細る人々。Tommie Makemさんの歌。
子供を育てる余裕もなく、泣く泣く子供を手放すふたり。娘は施設へ、息子は別の家族に。
彼らはアメリカへの移住を決意する。港で船を見送るダンス。地面やほっぺたや、手をパチパチたたいて音だしてます。これも打撃系ダンスですわね。
希望の地、アメリカ。ソロのフィドルをフィーチャーしたインストが入ります。移民してきた人々の前になぜか現れる妖艶な女性(LOTDのtemptressみたい・・・なんで?)。奥さん方にひっぱたかれる男達。
ハードシューズを中心にバレエやなんかをいっぱい詰め込んだダンス。まさに歌もセリフもないミュージカルみたいな感じ。
夫を待つ妻。Jonnieを待つMaire。
悪夢。Jonnieの、子供を失った苦しみ。黒い裾の長い衣装の集団がゾンビ風の動き。
その集団の中に自分の幼い子供達の影が。その子供が自分を呼ぶ声。苦しむJonnie。
子供たちとの再会。新世界で食べていけるようになったふたりは子供達をアメリカに呼ぶ。港で息子と娘の姿をさがすMaire。何度か人違いをして不安になってきたMaireの前に現れる子供たち。
ちょっと大きくなった兄妹が両親の前でステップを踏んでみせるんですが、これがすっごくかわいい(特に妹のほう)! なおかつうまい(お兄ちゃんのほう)!!
大勢で輪になってダンス(リバーダンスにおけるAmerikan Wake風)。
途中、子供達のチームが出てくるところがすごくかっこいい。うまい! おいしいところ完全に持っていってます。
アイルランドではなく、アメリカで生まれる子供たち。
Cathy Jordanさんの歌。
アメリカで育つ、新時代の若者たち。Tシャツジーンズでの打撃系アイリッシュモダンステップ(タップシューズも数人)。
ソロで出てきた緑のTシャツ&野球帽の人が、いきなりFlatfooting(アメリカはアパラチアの方の打撃スタイル。カントリー系の音楽で踊られることが多いらしい)を!
こいつぁスゴイ。誰だ? とおもったらこの人(役の名前としてはMike)、主人公Jonnieと1人2役のLiamさんではないですか。
Tommie Makemさんの歌。
エンディング。ダンサー全員が舞台に上がってすこし窮屈そう。子供たち、若者たちと順にグループで見せたあと、Liamさん登場。
このひとのフロントクリックといったら、振り上げた脚で顔を蹴るんじゃないかというくらい脚が上がるんです。River時代のマイケルさまもここまでは無理だったでしょう。(上がりゃいいってもんでもないでしょうが)
わたしはダブリンのVirgin Megastoreで買いました。(約72分)