ビデオ・CD:Magic of the Dance
マイケルを超える高速タップ男と言われるMichael Donnellanの振り付け主演のアイリッシュダンス&タップダンス・ショーであります。ヨーロッパで地道にツアーを続けていて、2004年の夏には台湾まで来たみたいです。日本に来ても・・・どうだろう?
オフィシャルサイトに画像いくつかありますのでご参考に。
DVDにチャプターは切ってあるんですが、特に曲ごとというわけでもないので無視して時間表示で行きます。
屋外での実写映像から。たいまつを手に歩いていく葬列(のような人たち)。ひとりの女性を担いでいる。映像はステージに切り替わり、その葬列は舞台の中央へ。男性の太い声でのナレーション。「人の命は短いが、ダンスは生き続ける」みたいな言葉とともに、担がれてきた女性が踊り始める。Airをバックにしたバレエですね。この辺はSpirit of the Danceを思い出させます。
バレリーナの背後の薄い幕が開き、いわゆるケルト風の結び目模様の衣装を着た20名ほどのダンサーが登場。そのまた後ろには大きなスクリーンがあり、実写のアラン島の風景やなんかが映されている。このあとも屋外で撮影した映像+ナレーションっていうのが随所にはさまれます。
全体がいちおう「善と悪の対立」という設定になっていて、そのイイモンのほうの男女(恋人同士という設定)のリードダンサーがテーブルの上で踊るハードシューズでのダンス。そしてダンサー全員での群舞。曲のクライマックスは「Riverdance」そっくり。
わかりやすく言うとLOTDの「安っぽいDark Lord」的な感じで、ドネラン氏が登場。照明のフラッシュとビデオのカット割りが細かくてめまいがしそう。Taps(タップシューズ用の金具)のついたハードシューズ履いてます。続いてTemptressが出てきます。はい。
フィドルのソロからバウロンとの掛け合いへ。なんか映像と音のタイミングがズレていて違和感あります。そのまま大人数でのケイリーに続きます。
Dark Lord再び登場。しばらくソロで踊っていたと思ったら、客席に下りてきます。何をするのかと思ったら、最前列の目の前でタップを始めます。フロアに50cm角くらいの小さなタップ板が置いてあって、そこで踊ってました。また別のところにもこのタップ板が置いてあって、Dark Lordは各地で出張タップを行います。けっこうサービス精神あるじゃん。
よくわからないけど船乗り登場(後で考えたら、アイルランドからアメリカに渡る船ってことみたい)。甲板の上でバケツを叩いてリズムを作ります。手だけでなく足でも打撃音。Tapsをつけたアイリッシュシューズですが、ステップ自体はリズムタップです。
ドラム缶4つと男性ダンサー2人、女性ダンサー1人が出てきて、船乗り氏も加わって、ドラムスティックやタップシューズで打撃。ちょっとStompっぽくもあり。
ロウホイッスルのAirのあと(イメージ画像が次々と出てきます)、American Wake。
恋人たちを蹴散らしてDark LordとTemptressが登場。女同士・男同士で掛け合いをしたあと、なぜか最後にDark Lordが消える(すごいCGです)。
バウロンソロからDark Lordとの掛け合い。ドネラン氏の打撃は非常にシャープです。音も(アフレコだろうけど)クリアでアクセントがはっきりしてます。ただしリズム自体は特に新しい響きを聴かせてくれているわけではありません。
このビデオ、パリで撮影されたんですね。ここからはパリのお客さんとの客いじりタイム。おじさま二人を舞台に上げてリズムで遊びます。まあ、地方巡業ノリというか・・・。大事です。地道なコミュニケーションが。
さっきも出てきたタッパー3人組が、小さな台の上でタップ。その台を傾けながらタップやったりして、すごいです。相当なバランスです。もともと彼らの持ちネタなんでしょうか。
続いてバウロン&ドラマーとの掛け合い。パーカッションvsボディパーカッションといった感じでなかなか良いです。
いつの間にかTemptressの女性を中心にアイリッシュダンサーが3人。男性2人はThunderstormの衣装です。で、タッパー3人組とTrading Taps。なんだかなあという感じではあるんですが、最後、タッパーとTemptressと二人して、トゥ立ちの状態で、ツカタカツカタカ・・・というThunderstormの後半のリズムを刻みます(わかるかな?)。これはびっくり。
歌やイメージビデオをはさみつつ、バウロンくらいの大きさの「叩くと光るリズムパッド」が出てきます。照明が落とされ、最初はスティックで叩き、次にその上に乗ってダンサーがタップします。リズムパッドの上でタップっていうのはTapDogsでも出てきましたね。
善悪の決戦。SaoirseがDark Lordに打ちのめされ倒れる。そこに現れるLord of the Dance(的役割の人)。タップの応酬のあと、何が決め技か知らないけれど突然発火して消えるDark Lord。
LOTDでいうところのPlanet Irelandです。まったくもってLOTDです。 10分以上続きますので覚悟して下さい。
「遅れてきたMF」と言うべきか、「LOTDのそっくりさんショー」と言うべきか。
ドネラン氏はおそらく、超優秀なスタジオミュージシャンなんだろうなという気がします。技術は折り紙付き、実績も充分。だけどオリジナル曲はさっぱり、という。・・・Michael Flatleyは偉大だなあ。
好きな人には見るべきところはいろいろあると思いますが、そんなにおすすめはしません。マニアを自認する人はどうぞ。