ビデオ・CD:TAP DOGS
2回も来日公演しているので見た人も多いんでしょう、TAPDOGSのロンドン公演のビデオです。内容は日本公演も同じだったので、見てない人はこれを見れば話題についていけます。
テーマがどうこうというより、次から次へと出てくるアイデアにビックリする作品です。また、ファッション的にも、音楽的にも、「いわゆるタップ」的な先入観をこわすのに好適ではないかと。
やっぱりオトコは腹筋が段々になってなけりゃ、というマッチョ専(て、言うのか?)の方にもおすすめ。
以下、時間表示はだいたいの目安です。
赤く塗装された金属板の上でのソロタップ。木の床とはまったく違う刺激的なノイズが印象的。
背後の壁が少しだけせり上がり、太い足とゴツい靴だけが表情豊かに踊る(まさに電柱わきの「犬」のような動きが笑えます)。視線を集中させる照明がいいですね。
メンバーが6人全員が舞台前面に出てきて、ひきつづき6人でのユニゾン。
スタンプが「バンッ!」と揃うとカッコいいですね。細かく刻むとトタン屋根に大粒の雨がバラバラと落ちてくるような音がします。
ふたたび舞台中央の赤い金属板の上でメンバー各人のソロ。見た目後楽園ホールのリングのよう。Darrenさんのウイングが客席の拍手を受けます。やっぱり見た目の動きの激しいのがウケるんですねえ。
そのまんまリング上のDeinさんと、外の各メンバーとのかけ合い。
ここまでずっと音なしのアカペラでやってきましたが、ここからにぎやかなパーカッションが入ってきます。赤の金属板が傾き、ギザギザに地割れして、下から照明があたりその上で各メンバーが踊りまくります。
アンビエントっぽいシーケンスにのってDeinさんからBenさんへの振りうつし。だんだんと長いフレーズになっていって・・・
そのままステージ中央でのBenさんのソロ。わきで見ているGerryさん。
バスケットボールをドリブルしながらのタップ。
ステージになぜか座布団のように並んでいる6つのリズムパッド。その上での各メンバーのステップがひとつのドラムセットになって・・・
ギターとシンセがきしるような音を出し、やかましいバンド演奏に。
いままでのステージがわれて、また別の金属板。より薄い感じの音。
お客さんに指パッチンをさせて、それに合わせてステップを踏みます。Drewさんが途中テンポをこわして、Deinさんにつまみ出されそうになるところがいいですね。
なんと空中に逆さまにつり下げられてのタップ。
細かいプルバックとかウイングとか、空中系のステップは逆にやりやすいのかなあ、と思ったりして。
照明がかっこいいっす。逆光の中にシルエットで浮かぶメンバーの影。
でも、このあたりからだんだん飽きてくるのはわたしだけ?
またアンビエントなシーケンスの中で。
音は引き続き。工事現場風に、柱と床との間に斜めにロープを張り、終始暗めの青い照明の中で6人が。
音のテンポはそのままに。この間、舞台裏は次の準備で大忙しなんでしょう。
鉄骨(のような構造物)がロープで斜めに持ち上げられる。メンバーがその上にかけのぼり、ロープにつかまりながらのタップ。この辺から各メンバーはシャツを脱いでタンクトップ、もしくは上半身裸になって、汗、筋肉、ノイズで観客を圧倒してきます。
斜めの鉄骨を垂直に持ち上げると、鉄骨の裏は梯子になっていて、そこをタップシューズで上り下りする音を聴かせます。
回転する電動ノコギリと飛び散る火花。火花が飛ぶときの音が演奏になっています。
と、Deinさんの脚になにやら巻き付けてるなーと思ったらそれは実はマイク。
タップ音にディレイその他のエフェクトがかかって、またその音に合わせてステップを踏んで、おもしろい音がでてきます。
今度は垂直になったはしごの間に足場を作ってその上で。
いつの間にやら長靴を履いているメンバー4人。水を浸した底の浅い水槽(?)の中でタップ。このへん、じらし具合がいいです。ステージ水びたし。
また少し建造物の構造を変えて。
この題名、リーダースでは、「若い男女<英国の伝承童謡では山に水を汲みに行く男の子と女の子>」とのことですが・・・?
ジャズっぽいピアノ。ブレイクたっぷりのなかでユニゾン。ステージに残る水をはねとばしながら。
一人ひとり小さなソロをしてから退場し、Deinさんが締めておしまい。
大きな拍手のあと、4段の踏み台を出してきます。あんなせまい、段差のあるところで細かく刻むのはすごい!
・・・とは言いながら、タップだけで75分はつらい。
各曲はすごく面白いんですけど、一気に見せられるとどうしても感覚が麻痺してしまいます。75分ほとんど全員踊りっぱなしというのがすごいこともわかるんですが・・・。
テレビで毎週1曲ずつ公開するとか、あいだに他のものをはさむとか、そういう見せ方ならもっと楽しめると思います。
75分
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