TIDC2004:11/12夜:エンターテインメントとしてではなく
オーチャードホールの入場口の壁に「大入」の札がかかっている。なんかそぐわないんじゃないかと思いつつロビーへ。
ロビー奥にこぢんまりとしたグッズ売り場が。 Tシャツはこんなラインナップ
- Tシャツレディス黒(2種) - 3000円
- ループTシャツ黒 - 3500円
- Tシャツメンズ白 - 2800円
- (写真には載ってませんが)Tシャツメンズ赤 - 2800円
私はメンズの赤を買いました。いちばん生地がしっかりしていたので。
- ハンドタオル - 700円
- マフラータオル - 1500円
- A4クリアファイル3枚組 - 600円
- トートバッグ - 600円
- 卓上カレンダー - 800円
カレンダーの曜日や祝日はちゃんと日本式になってます。
ビデオとCDは「アメリカ公演で売り切れた」という説明。ホントかいな。なんか契約間違ったとかじゃないのかしらん? 確実に売れたと思うんだけどなあ。
席へ。今回の席は1階4列16番。前日このあたりで見ていたというけいとさん曰く、「足元がよく見えないですよ・・」けっこう不安。
ホールが暗転し、Airからショーが始まる。舞台上手にドラムセット。下手にギターとホイッスルの二人。ソフトシューズの女性ダンサー15名によるダンス。1990年の作品で、Riverdanceにも影響を与えているとか。さもありなんというオープニングです。
暗い舞台に、上からサスライト(で、良かったかな)の照明。立体感を強調した中でハードシューズのダンス。
なんとなくリバーダンスのAmerican Wakeの雰囲気。こちらのほうが先にできてるんですけど。
着替えの時間を稼ぐためか、ショーの合間に「Trinity Irish Dance Company ORCHESTRA」の演奏が入ります。ドラム&パーカッションのNedさんがなかなかいい感じで、乗れるリズム出してくれます。全体の中でそれがどうかと言われると、ちょっと浮いている感じもするんですが、ともあれリルティング&口ドラムはよかったなあ。
チェックのミニスカートを着て、例のプードルソックスを履いた女の子がパチパチ音を出してきます。Darrenさんのインタビューでも話題になっていますが、STOMPにも参加していたSean Curranさんの作品。
導入部分なんかいかにもSTOMPなのでその流れでずーっと行くのかと思ったら、途中から女の子たちのソフトシューズのダンスへ。ただ、変な腕の動きがついている。なんだこれ?と思ったら、これ、自分の脚の動きを腕で同じようになぞっているんです。脚がcut(膝から内側に曲げる)していれば腕もcutし、脚が空中で止まっていたら腕もその形で止まる。
これはいい。面白い。脚の動きを腕で真似するということがこんなに面白いとは思わなかった。腕を動かさないことで発展してきたアイリッシュダンスの足さばきは、手でなぞってもそれなりに見せてくれます。
・・・ミニスカートはいいんですが、ダンサー陣がみんな恰幅がよく見えるのはどういうわけだ? 細いは細いんだけど、太ももとか肩が異様に発達しているように見える。実はけいとさんも同じことを言っていて、「やっぱりそうだったんだ」と思ってたんですが、終演後にダンサーに会えた人や、きょうは後ろの方の席に座っていたけいとさん(相変わらず熱心ですな)に聞くと「そうでもなかったです」と。
席の問題なんだとしたら、4列目は失敗です。脚は足首までしか見えませんでした。
いわゆる競技会ルックの女性ソロと、黒系の衣装のTroupeによる作品。
次の準備があるんでしょう。ここでバンド陣が座を持たせます。
もう前衛です。モダンダンスです。薄い生地の衣装で「風を感じさせる」ダンス。あの競技会衣装って実際重いんですよね。見た目にも重い。それとの比較で見るもので、ダンサー陣がほんとうに空中を舞っているように見える。
ここで第1部おしまい。
なんだ、けっこう良いじゃないですか、というのが第一印象。Curran Eventの後半なんか鳥肌でしたよ。ダンサーのひとつひとつの動きははっきりしてキレイですし、打撃音は生音だし(バンドは他の音を足してます)。
床チェックすると板の上にシートをかぶせてある感じ。ステージ上にスタンドマイクは見えなかったので、板の下とか舞台奥にマイクを入れているんでしょう。
一方、不満に思う気持ちもよくわかります。ショーの構成として、全体をつなぐテーマとかストーリーとかは一切なく、個別の作品が並んでいるだけ。ひとつのショーと言うよりは、発表会や競技会のエキシビションに近い。エンターテインメントと言うよりはアート指向。ついでにいうと、全体に「盛り上げ方」みたいなものが足りなくて、「あれ、これで終わり!?」みたいな感じのするところがいくつもありました。
続いて第2部。
都合により中止
エキシビションの集合体と考えれば、2部のGoddessのインド風音楽の唐突さや、Celtic Thunderの今ひとつ煮え切らない状態でのエンディングも納得できます。Treble Jigでは何気ない顔でけっこうすごいことやっているんですが(Darrenさんや長身のPatrick Barnettさんだけではなく女性陣も)、客席へのアピールが弱いせいかあまり盛り上がりません。残念ですが「わかる人がわかれば」って世界なんでしょうか。
良くも悪くもゲージツ指向ですね。おそらくこの先も新しい作品がどんどん出てきて、いろんなことに挑戦して楽しませてくれるんだと思いますが、アイリッシュダンスを初めて見る、という人にはこの2時間はちょっとつらいかも。「リバーダンスはここから始まった」というコピーは「まずリバーダンスを見てから来てね」という意味だったりして・・・。