RD海外公演:RD 10周年ダブリン公演
日時: | 2004年6月26日(土)15:00〜 |
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会場: | Gaiety Theatre@ダブリン |
座席: | PARTERRE A列6(30ユーロ) |
Gaietyの入り口でモギリを抜けるとせまーいロビー。左手に売店。ギネスでも売ってるかと思いきやお菓子ばっかり。右手にはグッズ売り場。オフィシャルのMerchandiseコーナーにあるようなモノがずらっと並んでます。Tシャツには「2004」の数字の入っているのが1種類あったんですけど、生地が弱そうなのと、デザインが気に入らなかったのでパス。
7歳くらいの女の子がRagdollにべったり釘付けでした。お母さんは「こっちのTeddy Bearのほうがいいじゃない」みたいな雰囲気なんですけどその子はあくまでRagdollにこだわってました。ニーズのあるところにはあるんだなあ、と。
パンフは10ユーロ、Tシャツは20ユーロ、変わったところで雨傘15ユーロってのもありましたが、これも荷物になるんでパス。うーむ。
パンフレット新しくなってます。表紙はConor Hayes&Sinéad McCaffertyペア。新しい写真が増えていて、最終ページにはオリジナルのMichael&Jeanから、ブロードウェイ公演を経て現在までの各カンパニーの思い出の写真が並んでます。しっかり調べればいつ頃の何カンパニーってわかるんでしょうな。
ホールにはいると、幕にRiverdanceのタイトル文字と月のイメージ。CGを映しているのかと思ったんですが、プリントでした。A6というのは最前列の真ん中よりちょっと上手(向かって右側)寄りの席。席に座ると、ステージの端まで1mくらい。Gaietyのサイトの「Seating Plan」の360度の映像では、客席最前列の柵とステージの間にすき間がありますが、今回はステージが張り出して作ってあります。
席自体は左右前後の余裕がほとんど無くて、あちらの大型な体型の人にはつらすぎる個人スペース。舞台の縁にマイクが2本。
土曜のマチネ。周りを見回すと親子連れとお年寄りが多い。お菓子ぼりぼり。BGMにどこかで聞いたようなモダンなアイリッシュの曲。そういえばオーケストラピットというか、バンドのスペースはどこにもありません。
開演。
暗転のあと半透明の幕の向こうにロウホイッスルのJohn O'Brien氏ががひとりで登場。Slow Air。いきなり指パクっぽい? いや、先入観で見るのはよそう。
Reel Around the Sunが始まる頃には1階席の前のほうはスモークでむせるほど。っていうかスモークたくのに無理のある客席構造じゃないか? 酸素濃度が下がったせいか客席の集中はなかなか高まらず、マチネのプリンシパル、Donnacha Howardさんがソロで登場するところも特に歓声が上がるようなこともなく残念。
ソロに続き、Donnachaさんが12人(うち男性4人)を引き連れて登場するところで急に背景のスクリーンが開き、バンドが現れます。ドラムとキーボード、パイプス、フィドル、サックスの5人。日本で見たLiffeyではたしか他にもギター・ベース・アコーディオン・パーカッションもうひとり・・・くらいはいましたよね。人数でいえば半減ですね。
ステージ構造はうろ覚えなのでご容赦くださいませ。
この瞬間まで、ソロ以外ミュージシャンは見えていなかったので「もしかして全編打ち込み?」とも思いましたが、そこまでのことはなく、できるだけそこにいる楽器の音を活用して音を作ろうとしている感じでした(つまりアレンジを工夫しているということ)。
The Heart's Cryでシンガーが登場。衣装はオフィシャルに写真が出てますが、ごらんの通り、女性陣は満州服っぽい上着が素敵であります。女性リードのLynn Hilaryさん、見た目もお美しいですが、声も良いです。
Countess Cathleen、マチネのリードはPaula Goulding嬢。Joanneさんのような堂々とした存在感はありませんが、キリッとして好感です。
Thunderstorm、男6人+Donnachaさんという編成ですが、とにかくせまい! 階段から下りてくるところやラストのフロントクリック3連発の部分、ほとんど足踏み状態です。とはいえ以前の大編成(しかも国際フォーラムAとか)を基準にして見ているからこう思うわけで、最前列間近で見るとけっ飛ばされそうで大迫力ですよ。
Shivnaもまたスモーク地獄。振り付け・照明が変わってなんとなくさらっと流した感じ。曲自体は変わってないと思いますがイントロが短くなったかも。もしかしたらナレーションが無かったかも知れません。
Firedance、Yolandaさんは見慣れてきたせいもあると思いますが安定して見られます。一方で後半のアイリッシュとからむ部分が何となく違和感が出てきたような。舞台の広さの問題だと思うんですが、Yolandaさん1人に男性6人(だったと思う)も出てこなくていいじゃん、みたいな。あ、ちなみにこの曲の背景はスクリーンにCGの太陽でした(ギターの人いないし)。
Slip into Spring - The Harvestは、曲そのものは変わらないものの、楽器の編成が変わっているので多少印象が変わりましたね。フィドルののZoë Conway嬢だけ前に出てきて演奏します。1981年生まれ、23歳のはずですが、なんか恥ずかしそうに演奏している感じが高校生くらいに見えてすっごくかわいいです。
Riverdanceは14人(うち男性6人)+プリンシパル2人の合計16人という編成。Paula&Donnacha組はなかなかいい感じです。このあたりで子どもたちもようやく集中してダンスを見るようになります。習い事として親しんでいる家庭が多いのか、バレエやフラメンコよりもアイリッシュの演目が盛り上がるようで。
休憩時間。大人も子どもも盛んに飲み食いするのはいいんですが、スナックの包み紙がその辺に散乱してたり、床がべとついてくるのはどうにかならんものか。
American Wake〜Freedomのあたり、女性陣の衣装が、胸のあたりに花の模様のついた新しいもの、のはず。前の日に『The Shaughraun』のさっぱり衣装を見ているのですごく豪華に見えます。バリトンソロのMichael Samuels氏、表情が見えるほど近いので、ものすごく「物語っている」感じがします。
Trading Taps、こちらでも人気の演目のようで、子どもたちも大喜び。これも近くで見ているからかも知れませんが、Tapの技として、より高度なことをやっているように見えます。この回のタップソロはCorey Hutchins氏。
The Russian Dervishもさっぱり流している感じがするなあ。ステージが小さいのでジャンプの距離が出せない? ダンサーは女性2人に男性3人。水平面で動きが見せにくい分をカバーするため(?)か、最後に男性1人が真上に思いっきりジャンプしてスタッと着地してポーズ。大拍手。
復活のOscail an Doras。曲は同じですが衣装がちょっと変わって、おそらくステージの大きさにあわせてフォーメーションも変わってます。前回の日本公演でRi Raが無かったのでガッカリしたクチですが、このステージではRi Raは無理ですなあ。せめてこの曲が復活したのを喜びましょう。
フィドルソロ&バウロンとのかけあい。これは元々この編成のものですから内容も同じです。Zoëちゃんのはにかみ奏法が印象的です(^_^)。わたしがいままで見てきた中(ビデオも含む)では、Eileen IversにせよMairin Fahyにせよ、アピールの強いやんちゃなおねーさん(またはおかーさん)だったわけですよね。そういうキャラクターの人が「さあ行くわよぉ!」とフィドル一本で客席を盛り上げてくれたわけですが、Zoëちゃんの場合、まじめでおとなしい高校生が伏し目がちに、「わたしフィドルがすごく好きなんです」と言いながら折り目正しく演奏してくれるイメージなもので、Mairinさんに慣れた私には、「もうちょっとふっきれてもいいんじゃないの?」と思えたりします。かといって、彼女にステージを走り回って「イェイ!」とか叫びながら演奏されても、なんか大学でデビューしちゃった同級生を見るようでそれはそれでショックでしょうなあ・・・いやいやいや、まあ、とにかく、演者のキャラクターというのが出るもので、そして最初に刷り込まれたイメージって残るんだな、という話です。
Home and the Heartland、ステージ奥の幕が開いてダンサーがdrum(その場で足をのばしたままジャンプして、ダララランと4つ音出すやつです)している、というところで現れるダンサーは8人。その前にプリンシパルのペア。階段を下りてくる時に左右からダンサーが4人ずつ登場して最終的に並ぶのは16+2人の18人。迫力ではやっぱり物足りないかも。音響でどうにかしようとしているんだとは思いますが。
いったん劇場を出て、ギネスなど飲みつつ時間をつぶして、ふたたびGaietyへ。
日時: | 2004年6月26日(土)20:00〜 |
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会場: | Gaiety Theatre@ダブリン |
座席: | PARTERRE B列2(37.5ユーロ) |
引き続き夜の部でございます。べとついた床はキレイになってました。席番号で見るとそうとう端っこのようですがそれなりに見えます。大丈夫です。客層は大人のカップルが多く子ども少なめ。でもパフォーマンスに対する反応はそんなに変わらなかったりして。
内容は前述の通りなので省略するとして、プリンシパルについて書いておきましょう。Conorさんは昨年の日本公演以来ですが、動作のキメ、流し目など、さらにマイケル度を増してます。Sinéadさんははじめて見るんですが、なんとなく「?」です。もちろんダンスのレベルとかそういう話ではないですし、見た目きれいな方なんですけど、舞台上の存在感があんまり感じられないんです。
(以下、あくまでこの日の個人的印象なのでご注意を。いま見たら全然違うかも知れません)
このサイトの伝統として、RDの女性プリンシパルを「姫」付きで呼んでますけど、SinéadさんよりむしろマチネのPaula Gouldingさんのほうが「姫」っぽさを感じました。じゃあ「姫っぽさ」って何だって話ですけど、「わたし踊っている時が一番楽しいんです」「わたしはここ(舞台中央)にいるべくしているんです」という、(もしかしたら)生まれながらの何かなのではないかと。「ええ、いろいろできるんですけど踊りがいちばん上手いんです」という計算の結果としてのダンスではなくて。(とかいいつつ、結局は好みの問題なんでしょうけど・・・)
で、そんなことを考えていたものでRiverdanceでもあまり盛り上がれず。
この回出色の出来だったのがTrading Taps。マチネでもかなり高度な技の応酬でしたけれど、それを上回る内容でした。タップのソロはおなじみWalter "sundance" Freemanさん。Liffeyでは(というか東京では)見せなかったような強烈なソロ。またそれにも負けずConorさんの高いジャンプとバタフライ(空中でカカカカッとヒールを鳴らす)。この演目はキャラの対比ではなくタップの真剣勝負で行こう、と方針が変わったのかな?
てなわけでまとめ。今回Gaietyという小さな会場で、縮小した編成になったというのがすべてに影響していると思います。演者との距離が近くなって、一人ひとりの表情、ステップのひとつひとつまで感じられるようになった一方、全体として大人数の迫力は少なくなり、各演者のレベルでは、個性的な、独自のスタイルを従来以上に要求されるようになったのかなと。演目で言えばTrading TapsやFiredance前半あたりがより面白くなり、Home and the Heartlandの群舞が「この音量はウソでしょ」という感じになってきます。
Riverdanceという作品が今後この程度の編成に収斂していくのであれば、ダンスの振り付けや曲のアレンジもそれに合わせ、また演目自体も新しいものにしていかないといけないんではないかな、と個人的には思います。大編成でやっていた曲をただ小さい編成にする、というだけでは以前からのファンには違和感や物足りなさが残るのかも。ぜいたくな意見ではありますがね。
Scene 1: | Reel Around The Sun |
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Scene 2: | The Heart's Cry |
Scene 3: | The Countess Cathleen |
Scene 4: | Caoineadh Chú Chulainn |
Scene 5: | Thunderstorm |
Scene 6: | Shivna |
Scene 7: | Firedance |
Scene 8: | Slip into Spring - The Harvest |
Scene 9: | Riverdance |
Scene 10: | American Wake |
Scene 11: | Lift the Wings |
Scene 12: | Harbour of the New World: (i) Heal Their Hearts-Freedom (ii) Trading Taps (iii) Macedonian Morning / The Russian Dervish (iv) Oscail an Doras(Open the Door) (v) Andalucía |
Scene 13: | Home and the Heartland |
Scene 14: | Finale |