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SOTD静岡公演レポートです! |
6/13夜 Kazuさん |
私はダンスに関する知識は殆どない、運動オンチ。もっぱら「見て楽しむ派」ですが、昨日6/13 静岡市民文化会館のステージ、シロウトの目で見た感想を思い付くままレポートします。 そもそも何故静岡なんぞに来てくれたのかナゾです。 東京をはじめ、大都市の公演地に対し、静岡だけ異質でしょう。静岡にアイリッシュ・アートのファンが特に多いという話も聞かないし。いやな予感はしていたんですよね。 静岡の主催のローカル局、静岡第一テレビはけっこう頑張っていい公演をひっぱってきてくれるのに広報・宣伝がめちゃくちゃ下手なんですよ! もっと練った戦略で宣伝打ってば、今回だって会場を埋められたはず。 SOTD公演も中途半端な時間にTVスポット入れるだけだった。15秒のスポット、内容が非常に不親切。映像もナレーションも何の公演だかよくわからない。説明不足で最悪。アイリッシュ・ダンスを知らなくて、あのスポットを見て公演に行きたいと思ったひとは皆無じゃないでしょうか。スポット放映回数も信じられないほど少なく、本当にチケット売る気があるのか、と疑いたくなったほど!きっとこの公演の存在すら知らず見逃した静岡アイリッシュ・ダンスファン 少なくないぞと悔しく感じました。私だって始めは主催者の広報ではなく、Air HPで知ったんですから。折角来日してくれたのに、主催者がバカだと次の公演に繋がり難くなってしまいますよね。出演者に対しても失礼だし。もっと考えてほしいと思います。 生憎の雨、肌寒いなか いさんで会場入りしたのに、開演前の期待に満ちた熱気というものは微塵も感じられず、CD、ビデオ、パンフレットの販売カウンターには空虚ささえ漂っていました。 収容人数1000名ほどの中ホールの2階席お客さんほぼゼロ。1階席後列ガラガラ。これではダンサーたちががっかりするかも、と胸が痛みました。 ホール内は実におとなしい雰囲気。お客さんの年齢層が高めで意外。(いい席に、ほんとにあなた方アイリッシュダンスなんか見るの?って感じのおじさん・おばさん・お爺さん達がいっぱいいたのは・・・主催者から”お付き合い”で只券もらったクチか?) 幕が上がってもしばらく場内はぎこちなく、ぜんぜんノらない。わたしが叫び声をあげたら、周囲の人に振り向かれちゃった! 華やかな衣装、攻撃的なステップ、激しいリズムを目の前に、なんで皆そんなに静かにしていられるの? そんな雰囲気、ステージにも通じたんでしょう。ヴァイオリニストの男性がやたらに拍手を煽るモーションを繰り返しそれに導かれお客さんがようやくほぐれて、徐々に拍手したり声を出し始めました。所詮、静岡オーディエンスなんてこんなものか・・・ お陰で、本来メインの見せ場であるはずの激しい群舞やソロダンス・シーンより、フィドラーひとりの登場場面のほうが拍手が数倍大きくなるという現象がおこり、おいおいって感じです。終了近くになるころ、やっと会場とダンサーの波長が合い最後の曲は客席前半分がスタンディング・オベーション。「もう1回?」と、ダンサーが日本語で尋ねると「イエーイ」の大合唱!コーダのリフレイン的にステップが繰り返されました。(これが事実上のアンコールだったのかなあ) 幕が下りた時は、お客さんノリノリでアンコールを求めて割れんばかりの拍手。おお、皆の心がひとつになっている〜という実感があったのに残念なことに、それに応えるかたちではアンコール、カーテンコールが無かった! え、なんで〜!うそ〜!の声が・・・ ステージ上と客席がいまいち噛み合わなかった感は最後まで否めませんでした。ダンサーたちもやりにくかったのではないかな。日本の地方都市のオーディエンスには、もうすこし成長してほしいものです。海外からの公演の度にそう思います。 ステージの内容はオーストラリア公演のレポートにあったようにアイリッシュらしいステップ中心のダンスにフラメンコ、ジャズダンス、バレエなどなど盛りだくさん。スピーディな展開で飽きさせず、あっという間に時間が経ちました。予備知識なく見たら、ヴァリエーション豊かで楽しいステージだけどRiverdanceのファンには、逆にすこし物足りないかも。 アイリッシュの伝統的な側面に、アメリカっぽいショウのエッセンスをミックスして新しい世界を作ろうとしている姿勢は好感を持ったのですが、振り付けの要素が欲張りすぎなのか? 動きの流れの中の ”決め”の部分が 決まらない感じ。拳骨をかざす空手的な振りが売りなんでしょうか、パンフの表紙にもなっていましたが、全体の中ではそこだけとってつけたみたいな感じです。 それから群舞の同調性がイマイチだったのも、気持ちよくない。ダンサーの体型が、男女とも 背の低い人からひょろひょろの人細い人から肉感的な人と バラバラだったのも見た目にあまり美しくなかったかな。そして、特に、男性の一番ノッポさんが、マジでへたくそだったんです。振りをよく間違えてたし、コケてたし。やっとついていってるって様子で表情もひきつってた。その人ばかり目につき、苦笑してしまいました。 女性の衣装がぎらぎらに派手で、Riverdanceとは違い、この公演は完全にショウなのだ、という個性は出てたと思います。それに比べ男性の衣装が素っ気無さすぎ、バランスが悪いような気がします。派手である必要はないけど、女性と組む場面では女性の華やかさに合うようにもうすこしドレッシーでも良かったんでは。男性だけの時はストイック感が引き立ち、良かったんですけどね。”陽と陰”的な演出なのかなあ。ダンス・スピリットという設定の、バレリーナ役の女性の衣装が白い練習用レオタードにちょっとスパンコールをつけただけという印象。安っぽかったのが哀しい。パンフレット1ページ目の写真ではバレリーナは、とても繊細な白い衣装を着ているのに、何故だろう。 それから、気がついてしまったのですが、ヘッドセットを付けてボーカルも担当していたソロダンサー、歌は口パクだった筈です。口の動きと歌がずれる場面、多発。う〜ん。仕方が無いのかもしれないけれど、ちょっとfakeっぽくて嫌だなあ。全編テープでやるならやるで、マイクなんかつけないほうがよっぽど潔いのにな。 ステージがシンプルな背景だったことは良かったと思いました。 女性は黒いタイツの下、膝や足首にサポーターをしている人が多く、このダンスの激しさ、厳しさが感じられました。女性ダンサーの中に、とても小気味良いシャープな踊りをする方がいてファンになったので、今後の活躍に注目したいと思ったのですがパンフレットのメンバー紹介、名前の羅列だけだったのが残念。白黒でもいいから、せめて顔写真の下に名前、というページが欲しかったな。 前から3列目の席がとれて、とても嬉しかったのですが、目線がちょうど舞台と水平のレベルで、前2列の人の頭部に視線を遮られ肝心要のステップを踏んでいる足が、よく見えなかった!残念無念。席も前なら良いというものじゃないのですね。勉強になった。音響スピーカーのすぐ側だったので終了後もしばらく耳鳴りがして、頭がクラクラしてました。やはり”録音音源”を電気的に増幅したものとライブの音では、「血沸き肉踊る」感が違いますね。 などなど、期待と思い入れが強かった分、ちょっと厳しく見てしまいましたが、ダンスっていいなぁという思いを新たにすることができました。ダンス公演って、ナマモノですよね。その日のダンサーの体調や心理状態はもちろん公演地の天候、土地柄、オーディエンスの気質など様々な要素が絡み合って作られるOne and Onlyな時間なんですよね。 まさに一期一会。 ぜひ他の場所での公演を見てみたいと思いました。(先立つものがあれば、の話) この公演をきっかけに静岡にもアイリッシュ・ダンスのファンが増えることを期待せずにいられません! Spirit of the Dance 2000トップへ |
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