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LOTDはダンスのRockコンサートか? なんじゃ、そりゃ・・・(^_^;) |
10/11夜 けいとさん Fujieさん |
原宿駅から神宮の杜に沿って虫の音を聞きながら進むと、歩道橋の手前で既に係員の持つハンドマイクから---どうやら当日引換券の案内をしているらしい---声が聞こえてくる。 丹下健三の特徴的なデザインが、18時を過ぎて夜に包まれたはずの都市の空にシルエットを描き、歩道橋を埋めていた人の流れから逃れるようにして通った原宿門の先で、観客となる人々を呑み込むように構えている。 思っていたよりも多い人の流れに振り返ると、屋台の明かりに照らされた歩道とは違う、現実から隔絶された空間があった。 「箱入り娘」達の笑顔に思わず会釈して足を踏み入れた先には、無粋なコンクリートの腹腔に包み込まれた異世界が、その顔を覗かせようとしていた。 その内側に"THE SPIRIT'S DREAM "を内包した吊上式の天幕は、ハーフドーム状にステージを覆って開演時刻を待っている。 ステージのデザインは前回と変わりなく、あるいは広がった風も無く、見る限りほぼ同じ大きさに設えてあった。 ステージ下の中央・左・右の3ヶ所に置かれたスピーカーの、その左右のスピーカーの内側に一台ずつ、計二台のカメラがある。 翻った外側の、左右に組まれた櫓の下半分を覆う黒幕部分にはスクリーンが掲げられ、更にその上部の剥き出しになった鉄骨からは、これでどうだと言わんばかりのスピーカー群が吊られている。 ステージ前端から5m程に置かれた柵のこちら側の、左端を正面に見る二列目にある「A3ブロック-13番」の席に着き、先ほど買った公演プログラムをそっと開く。 そーっと、そーっと・・・ BGM---"BREAKOUT" よし、今日はこのくらいにしといたる。って、おわりかよ、おい!(< 三村@さまーず、でね) んー、パンフレットを開いてみて驚いてしまった。 全体の構成は"まあこんなモノか"と予想していた通りですけれど、特に期待していなかった日本語表記は「よくやった!感動した!」と褒めようかと思いきや、なにこれ?日本語になってないってばさ! これは安直に機械翻訳でやったな・・・と思った先には機械翻訳では間違えようのないミスがある・・・ まったく以てもう、恐れ入谷の鬼子母神、どうで有馬の水天宮!死んだはずだよお富さん!その手は桑名の焼き蛤!・・・ええい、助さん、格さん、こらしめてあげなさーい!・・・(略)・・・なのである。 もう何て言うか、がっくり(T^T) ワタシの二千円・・・と嘆いていても仕方が無いので「やったぁ、ラッキー。取り敢えずネタはあったじゃないのさ、、、、ひょっとしてコレクターズ・アイテム?」などと前向きに?考えることにしたのである。そう考えなければ浮かばれないでしょ、ワタシの二千円・・・クドイ(--;) 前回のプログラムも"けなした"覚えがあるけれど、あちらの方がまだ良かった。原文に日本語訳が別に付いていたけれど、遙かに分かり易かった。 しかしこの日本語版、今回の日本公演主催者側(つまり日本人)が用意したものとは思いたくないが、さりとてUNICORNが作ったと思うのもまたゲンナリ、、、ああ、忘れてしまおう・・・いや、笑ってコラえてネタにしよう! (と言うわけでネタにしてます) ちなみに写真は良い!ですよ。 さて、定刻を10分程経過してようやく開演。 (LOTDに限らず、何時もこうだね) あら驚いた。 Little SpiritのHelen Eganはその存在感を増していた。 ひとつひとつの動作全てに意味を持たせた立ち居振る舞い、姿を見せてから舞台裏に下がるまでの仕草、表情、、、一瞬の隙も、無駄もなく、全てを完璧にこなしている。 参った。もうホイッスルの笛パク(?)なんてどうでもいいです〜、ワタシが悪うございました、お許し下さい、、、というくらいの風格すらある。 一方でSaorise とMorrighan (キャストの詳細は他の方のを見てね;;;)の二人は、線が細い。 今回もやはりソフトシューズのシーンを期待していたのだけれど、スピードも控えめで、ジャンプの高さも、滞空時間も不足していて、、、 個々のステップはきっちりとして、(柔らかくもないけれども)コレと言った不安要素もないのでそれなりに安心して観ていられるものの、はっきり言って物足りない。決められた振り付けをキッチリこなしている、と言うことでは問題無しの合格点であろうけれど、もう一段上の個性と存在感を見せて欲しかった。 (さすがに鈍感なワタシでも、これだけ様々な公演やビデオを見ていれば、多少なりとも眼も肥えてきますよ(^_^;) Barnadette Flynn やGillian Norris と比べちゃいかん、という声もありましょう(ワタシもそう思います)が、今後の成長に期待するという意味で、敢えて「初日を飾るには力不足」と言わせていただきますね。(本当はGillian Norris 見たかった、、、降りちゃったのは知ってますけど) しからばこの二人、ハードシューズではどうかというと、如何にせん足元が見えない・・・。見える限りでは、力強くブレも少ないようだが・・・ しかし、このステージの高さはどうしたことでしょう、、、野外コンサートじゃないんだから、、、座高だけは欧米人に負けない自信のあるワタシが伸びをしても、ちっとも足元まで見えやしない(T_T) (まあ、意図的にしているんでしょうね、きっと) ところでLOTDでのハードシューズ女性ダンサーの見所は、"BREAKOUT"だと思う。 (言って置くが、衣装のことではない。多分・・・(^_^;) 緩やかなリズムから豹変して、爆発する如く叩きつけるような激しいステップを踏むダンサーの、女の本性を見せる場面。 ジャンプしての着地から、そのまま連打を刻むあのパートは、ただ音だけでなく、あの細かく激しい脚捌きを観せなくては!・・・なのに・・・ しかも出だしからの音量が大きすぎて、静と動の対比が曖昧になってしまっている。ここは揃っているだけに、実に勿体ないと思う。 ロックコンサートでの「いきなりタテノリ、二時間跳ねまくり」じゃ無いのよ、ワタシら観客としておるんよ。良いモノは良いモノとして、きっちり見せて欲しいんよ、、、この辺りの切り捨て方が「LOTDは大味」と感じさせてしまうんよね。ホント勿体ない! さて、再び気を取り直して男性ダンサーです。 ---Lord < Boy Michaelと呼ばれているらしい 何とも若々しく、はじけたダンサーである。 思い切ってスピードを上げている反面、上体が流れてしまうのは残念だけれど、それを雑に見せないだけの器量がある。結構女性からのウケもいい様子。 ただしLordたるモノ、登場時のソロタップシーンが終わってから「ほっ」とした表情を見せてはいけませんぜ(^.^)。 ところで、コレオグラファーでもあるMFの指示なのか、アクションがいちいちMFの焼き直しなのはどうだろう? ボクサーとしてもブイブイ言わせたMFなら左右のストレートの連打で集団に指示するところが、彼の場合は何か手振りがむちゃくちゃなようにも見えて、ここまで来るとちょっと微笑ましい。 若いので今後に期待ですかね。是非とも彼自身のスタイルを確立してほしいものです。 それはそうと、あのソロタップの音ですけれど、なんつう耳障りな・・・あ、以下自粛します、今回は(^_^; ---Dark Lord < 土佐犬Dark(c)けいとさん まともに比べたら、Dark Lord の勝ちでしょう、、、あれは。 しかもLord を引き立たせようとして、Dark Lord のパートをかなり削ってますよね。もう少しあのど迫力のステップを見せて欲しいと思ったのは、決してワタシだけではないと思います。 確かにあれ以上やったらLord の完敗でしょうし、事実最後のお辞儀では前回のように「Lord より大きな拍手がわき上がる」って事は無かったですけれども、、、 うーん、なんだろうなぁ、この収まりの悪い感覚は、、、コンディションの問題ではなく、妙にダンサー達の素質がうまく生かされていない気がする。 決してダンスそのものが見劣りするというワケではなく、音響を含めた、総合的なバランスの悪さみたいなものが、、、あ、言っちゃった(^^ゞ でもね、楽しかったですよ。本当に。 楽しみながらも、こんな醒めた視点で見ていた自分がまた、夢のようで、、、やはりSpirit の振りまいた金の粉のせいだろうか・・・ さて、お後がよろしいようで。。。 Cast補足 Erin the Goddess === Anne Buckley Violine === Mairead Nesbitt & Cora Smyth でした。(違ってたらごめん) October 16, 2001 文責Fujie Lord of the Dance 2001レポート集トップへ |
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