ニッポン・ジャズエイジ発掘隊 第二回
川畑文子と中川三郎 戦前日本のタップ黄金時代
これは4月に募集の2倍近い問い合わせで盛況に終わった第一回「発掘隊」第2弾です。
長期混迷する現在の「平成不況」と同様に、かつて「昭和恐慌」と言われた戦前の1930年代、「モダン東京」を明るく照らしたのは、「ニッポン・ジャズエイジ」によるジャズとタップのショウビジネスでした。
フレッド・アステア生誕100年を迎える今年、同時代の日本で輝いていたタップに的を絞り、数々の資料とともに見直してみようというのが今回の企画です。
中川三郎と川畑文子という、戦前の雑誌で「日本のタッパー 一九三八年度版」では男女の横綱にランクされている二大スターを軸に「発掘」した貴重な資料をもとに形成していきます。
中川三郎はとかく戦後の社交ダンス・スタジオばかりが注目されますが、戦前は17歳という若さで五・一五事件の翌年にタップの修行のため単身アメリカに渡り、帰国したのは二・二六事件の前の月。ブロードウェイで修行して、日本に帰るや浅草や帝劇でトップスターに登り詰めていきました。
川畑文子は日系三世で、9歳にしてロスアンゼルスでデビュー、13歳でブロードウェイのスターになり、17歳で日本劇場の柿落とし公演の主役をつとめながら、戦争直前に突然引退した伝説のスター。戦後、消息不明でしたが、乗越たかおが戦後初のインタビューに成功し、『アリス ブロードウェイを魅了した天才ダンサー 川畑文子物語』(講談社刊)を書いた。
【企画内容】
- 奇跡的に見つかった川畑文子の映像を上映
- 戦後行方不明になっていた川畑文子へのロスアンゼルスでのインタビュー映像特別公開
- SP版による「戦前日本のタップダンス」聞き比べ
- ジャズ評論家・瀬川昌久氏と、「発掘隊」隊長の作家・乗越たかおのトーク
- 戦前のタップスター(ジョージ堀・林時夫・稲葉実・荻野幸久・中村弘高・姫宮接子・ベティ稲田等)の資料展示
【さらに予定される内容】
- 中川三郎・ベティ稲田らが歌い踊る、幻の映画『鋪道の囁き』上映(フィルムセンターとの交渉が進まなければ、公開を要請するための署名大会)
- 現役若手タップダンサーを呼んで実演&レクチャー
- タップと歌のミニ・ジャズ・コンサート
- 【場所・日時】
- 講師:乗越たかお 他
- 場所:江戸東京博物館 大ホール(定員400名)
- 日時:平成11年7月10日 午後5時30分(8時まで。途中休憩あり)
- 問合せ先:ニッポン・ジャズエイジ発掘隊(オフィス・カステロ)電話 03-3586-1063
- 料金:2000円
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