SOTD2000:6/10夜:これからに期待したいと…
SOTD。当サイトに馴染んでるにも拘らずRDもLOTDも結局生で観ることのなかった不届き者の私にとって初めての生アイリッシュ。
事前の情報量も少なく予備知識は皆無に等しい。それだけに期待は高まり楽しみだった。
いよいよ舞台が始まり、進行して行く。
…この感じはなんだ?
…妙に、楽しい。
アイリッシュをベースにジャズ・ダンスやフラメンコ風、サルサ風なダンスを織り交ぜてたたみかけるように舞台は進む。フィドラー氏の大袈裟なパフォーマンスも効果あっていやが上にも客席は盛り上がって行く。
フィナーレ、カーテン・コールにはスタンディング・オヴェイション。
気づくと立ち上がって手を叩く自分が、居た。
ダンス自体はそんなに大したことがないように思える。どうしたってRDやLOTDと比較されるのが判りきっている割にはヘタ、といって差し支えない。ジャズにしろフラメンコやサルサにしろ異文化を採り入れてみました、程度のレヴェル。
終演後に読んだパンフレットによれば「数多いアイリッシュ・ダンス・チームの中でも、さらに鍛え抜かれたダンサーたちで構成されている」云々。
それほどでもないんじゃあないの?
はっきり言ってしまえばアンダー・スタディだらけのようだし、或いは日本のオーディエンスを舐めてる感じがしなくもない。製作側の姿勢として、たかが極東の島国で演るのだからこの程度のダンサーでいいや、ってのが見え隠れする感じ。
それなのになぜ楽しいのかな?
舞台自体はとても楽しく出来上がっている。
場面展開は、巧い。良く練られた感じがする。
進行中に漠然と感じていたのだが、ある一貫した何かが舞台の根底に存在しているからのようだ。このへん、うまく言葉で表現できません。
様々なダンスの単なる羅列じゃあない、ということ。再びパンフレットを引用すると「スピリットがまことの愛を求めて」…
ははあ、そうであったか。このコンセプトが根底にあってダンサー全員こんな意識で踊っている訳ね。しかも一所懸命、楽しげに。
オーディエンスも良かった。ノセられた部分も多いにあるが楽しみに来た人たちが多かったようだ。
やっぱりスタンディング・オヴェイションは気持ち良い。舞台はこうでなくっちゃあ。
そこで、私が思うのはやはりアクースティックなケルト音楽が欲しかったな、と。
アイリッシュのハード・シューズで踊る曲は終始似たテンポのロック調なんですね。音響的にちと耳障りな作りの所為もあったけど、飽きる。
その点、これからに期待したい。
またの機会に成長したSOTDを観たいものだ。
なんて思った次第です。