SOTD2000:6/8夜:RockのSoundでStepするIrish・・・のようで、歌はしっとりと。(なるほど、これがエンターテイメントなのだ)
行く先は、断じて"Alaska ATC Theatre"ではなかった。(^_^;)
"赤坂ACTシアター"へと向かっていたのだが、路線の都合で赤坂見附駅に降り立った私は、「"天下のTBS"なんだから、行けば分かるはず・・・」などと甘い考えでいた。素直に地図を持っていれば良かったのだけれども、これでも案外方向感覚には自信がある(と自分では思っている)ので、"TBS放送センター=通称ビッグハット"など、「森田さんのお天気ですかぁ?」で見る限りは充分ランドマークだと思いこんでいた。#しかし、近くまで行かないと見えないのね>TBSと赤坂ACT。
つまり道を間違えてしまったのよ・・・(‥;)。 (しかも行き帰りとも・・・情けない(^_^;)
ちょっと焦りながらも、6:45ホール到着。
一番にすることは、入って左側のカウンターにパンフレットを買いに行く・・・のではなく、先ずは右手奥へ向かって「とりあえずビール」なのである。
隣のアイルランド物産直売店が気になりながらも¥1500-のパンフレットを買い、これで準備万端。案内された5番扉から、いざ客席へ。
広さは"小ホール"クラス。ステージも小さめだが、ちょっとイメージが違っていたのは緞帳(というよりカーテン)が降りていたのと、1列目にも人が入っていた事だったが、何はともあれ、いそいそと"3列目"の席に着く。座った状態で、ステージ床面はほぼアイレベルに来る。コンサートや普通の演劇舞台なら全く気にならない高さなのに、Irish Dance の場合には足元がすごく気になってしまう。悪いけれど前の人の頭が邪魔。
振り返ると客席の埋まり具合はやはり7割程度。(もう開演間近なんだけれど、いいのかこれで?)
パンフレットは既にmoriyさんから情報があった通り、日本公演向けにローカライズされたと思われる物。
紹介写真こそ無いものの、ちゃんとダンサーの名前がクレジットされていて、演目も出ている。<やっぱ、こうでなくっちゃあねぇ。
と、開いていくと紙切れ一枚?
どうやら差し替えがあったのか、日本向けの構成に急遽変更したのか、いずれにしてもちょっと入れ替えの様子。
- Opening オープニング
- Here Iam ヒア・アイ・アム
- Fiddle Virtuoso フィドル・ビルトゥオーゾ
- Irish Trad アイリッシュ・トラッド
- Spanish スパニッシュ
- Choir-Spirit's Born クワイア〜スピリットの誕生
- Jazz ジャズ
- Thunderdance サンダー・ダンス
- Fiddle Celtic Rock フィドル・ケルティック・ロック
- Dancer's Tale ダンサーズ・テイル
- Meeting ミーティング
- Duet デュエット
- Salsa サルサ
- Fiddle Medley フィドル・メドレー
- Punches パンチェス
- Millienium ミレニアム
ふーん、なんか違うけどな〜、などと思いながら見ていると、いずこからか、手拍子足拍子の賑やかな盛り上がりが聞こえる。
何とも陽気なお客さんたちだこと、って、よく聞いているとカーテンの閉まったステージの方からだわさ。。。
どうもステージ上で最終チェックでもしているのか、かなりの人数がいる様子。(普通この時点で音を出しているのは、バンドのチューニングくらいでしょ。)
なんとアットホームというか・・・などと思っていたら鐘の音が鳴り、間もなく開演を告げる女性のアナウンス。
ステージ上も静かになった(ような気がした)。
男性アナウンサーが「Spirit of the Dance へようこそ。このステージは、DanceのSpiritが国立ロイヤルバレエ団のバレリーナとして世界を巡り・・・」と解説を始めた。すごく簡単に。
# なるほど、そういうストーリーなのね、、、と感心していると「どうぞお楽しみ下さい。」って、まだ場内は明るいんですけど・・・。
腕時計を見ると19:00丁度。そのまま照明が落ちて幕が上がった。
いきなり打ち込み系でズシン・ズシン・・・と来るのかと思っていたら、そうじゃあないんですね。
ちょっと"やつれた"感じのそのまんま東というかジーザス・クライストと言おうか、決して悪くはないんだけれども、かといって絶世の美男でもないようなプリンシパル(SOTDの場合はメインダンサーとでも言った方が良いのかな?)がDanny Boy ことKirk Taylor さん。おっと、台詞があるとは知らなんだ。
# 正直言うと、このOpeningは正確に記憶していないんです、、、何シーンかあったようなんですけれども。
何故かって?意外と「生音」が響いていたからなんですねえ、これが。ヽ(^。^)丿
勿論(^^ゞ、PAからがんがん響いてくる音は明らかに別モノだったんですが、ドラムの強烈なリズムとディストーション系のギターの向こうからしっかりと、でも少し頼り無く控えめに?、独特の響きが聞こえてました。 (それでもやっぱり良いなあ>生)
RDやLOTDと較べてしまうと、素人目にも技術的な物足りなさを感じるけれど、LOTDよりも年齢が高いのか、或いは男性ダンサーが長身揃いであるせいか、全体的に締まって見えて、不思議と印象は悪くない。
よく考えてみたら、女性ダンサーも結構長身でしたね。(勿論そうではない人もいたけれど)
特に女性陣が出てくるたびにコスチュームが替わるのは、かなりお楽しみとも言えます。色違いだったりする程度で、基本的にはセクシー系に変わりないんですが、それでも(それだから?)楽しいです。
ああ、それとシンプルな「白いコスチューム」で5人の女性ダンサーが出て来てSpiritを囲むシーンですが、moriyさんが事前に「マタニティードレス」などと書いておられたモノだから、見た瞬間に笑ってしまいそうになりました。(180cmクラスの妊婦さんが5人・・・迫力。(^_^;)
その都度歌手が出てくるのではなく、ダンサーがヘッドセットマイクで歌うのも違和感はなかったし、それになにより歌も上手なんですね。
ただ、Ballerina(Spirit)のJenifer Amison さんは、歌うときの立ち方(右足を後ろに引いて、少し前のめりになる。<なんとかって名前のある立ち方みたいでしたけれど・・・)がいつも決まっているらしく、この辺がかえって変な気もしましたけれども。
ステップはIrish Lead のLaura Waddington さんの方が迫力勝ちしているように見えましたが、彼女の方がハードシューズ系のダンスも多かったし、バレエと較べても仕方ないか。
歌に較べてダンスは全体としてHard Beatの「ノリ系」の曲で、ステップどうこうと言うよりは、リズムで押しまくる感じがありますから、RDやLOTDのようにアカペラ・タップやタップ・バトルを期待していくとスカされます。また、Jean姫やJoanne嬢のような、ソフトシューズでしっとりとした部分も残念ながら、、、まあ較べちゃあいけませんかね。
でも、悪いですがRDでMaria姐さんの迫力に打ちひしがれた身としては、「姐さんの存在感に較べたら、誰が出て来ても比較になりません(きっぱり)」と言ってしまいます。そりゃーそうですがね、、、、しかもあの赤扇子シーンは例え同じ曲であったとしても、やはり"Flamnco"ではなくて"Spanish"にせざるを得ないでしょうね。(1999RD日本公演で姐さんを拝見しましたが、あの存在感はもの凄いですよ)
それから目下話題独占の感のあるFiddler(クレジットではViolinist) Daniel Tethow君。
# じつはSOTDはバンドがいないらしく、
# プログラムパンフにミュージシャンの名前はない。
# Spiritの笛以外では、(少なくとも見えるところで)演奏する
# のは彼一人である。
(さういえば、Spiritの笛は生だったような・・・)
話を戻して、かのFiddler君、出てくる度に衣装も次第に派手になるし、一人で盛り上げていて結構楽しませてくれるんだけれども、ちょっと言わせてもらえば「楽曲が単純すぎる」。
ああも同じフレーズの繰り返しでは、いかがなモノだろうか? あ、だから頑張って盛り上げていたのか・・・などと穿ったことも言いたくなってしまう。
実際にSOTDのメインテーマと思っていた曲(Offical SiteのFlashの曲)が聴けたのは、ようやくACT2.の"Fiddle Celtic Rock"まで待たなければならなかった。(これで合ってますよね?)
逐一 前?の2公演と較べることはないが、、、一人で盛り上げるのも大変なんだろうけども、もうちょっと考えてもらいたいよね。>プロデューサー&コンポーザー
これは、けして彼のせいではないと思う。彼の演奏が楽しめたものだけに、余計残念でならないでしょ。
それから、ビートを裏で取るリズムセクションも考え直して欲しいな。
# あれじゃあ手拍子し辛いでしょうがね。
ストーリーに関しては、はっきり言ってよくわからん。(^_^;)
Danny Boy が倒れてしまったところへIrish Leadがすり寄る。でもそれを押しのけてSpirit が彼を助ける?らしいんですが、何もDanny Boy を足で踏みつけなくったって・・・それまでのイメージが変わっちゃうんですけれど。。。
でもまあ、実際の所はストーリーなんて全然関係なく楽しめます。
SOTDは変に疑問を持たずに、素直にリズムに乗っている方が楽しめると思います。
さて、私として今回のSOTDの最もスペクタクルなシーンを挙げるとすれば、ACT2.の1.Jazzから引き続き演奏された"Thunderdance"だった(と思う)。
1.のJazzは曲調がJazzと言うよりも、DanceがJazzだった。結構SEXYなコスチューム(SOTD全体がそうですけど)で、そちらに目がいっていたからかも知れないけれど・・・(^^ゞ
そのJazzから流れていって、Rockと言うよりもHeavy Metal 、、、そうあのDeep Purple の"Smoke on the Water"(Air的にはSOTWかしらん?)のようなサウンドを背景に、なんと女性ダンサーも混じって"ズダダダダン!"とやってくれちゃったんですから、これ結構イケます。
次点は"Salsa".
サルサのステップをIrish Tapにアレンジしていたらしく、どことなく妙なステップでちょっと不揃いだったのが残念だけれど、展開からしても(ステージ・客席共に)最高のノリだったと思う。最後のキメは見せてくれますよ。
も一つ並びで"Millennium" も耳に残るんで挙げておきます。
それからこれはハプニングだと思うんですが、何の曲だったか・・・Irish Trad - Spanish の所だったと思うけれど、Laura Waddington さん?が扇子を持って登場する場面で、先にステージ上でステップしていたBallerina(Spirit)のJenifer Amisonさんが、見事に転けてしまいました。シンバルの音に合わせて後ろから扇子を持ったLauraさん?が登場するんですけれども、ジャンプからトゥで立とうとしたところが滑ったらしく、そのままスコーンと横になってしまいました。あまりに見事な転け方で、その後も何もなかったように踊っていたし、それも丁度シンバルの音と同時だったので、一瞬振り付けのうちなのかと思っていましたが、やっぱりあれは違いますよねえ、、、
おしまいに全体としては、皆さんおっしゃっている通り、ダンサー・特に女性ダンサーたちの実に楽しげな笑顔がとても印象的で、あれだけでも『楽しかった』と思わせてくれるのは、実は物凄い事なんだ、と思う。
# 宣伝コピーが派手すぎただけに、ちょっと引き気味で見に行ったんですが、
# 思っていた以上に楽しめたのでHappyなんですな。ヽ(^。^)丿
では私も(偉そうに、、、(--;)お約束?のSOTDの位置付けなどを・・・
★RDはもはやStandardだと思う。
言ってみれば、「老舗の百貨店」か「名門ホテル」。
Black & Tie で、勿論アクセントにグリーンをあしらい、出来れば運転付きの車で乗り付けたいような、そんな演出を観客にさせるだけのモノがある。
★LOTD & FOF は流行の先端を追う街の、ヨーロピアン・デザイナーズ・ブランドが並ぶ「ファッションビル」か(勿論カリスマ店員付きね)「避暑地の高級リゾート」。
イタリアンスーツに素足で靴を履き、夜でもサングラスをかけて行く位の粋な気合いが似合うステージ。
★それに対してこのSOTDは、何ともカジュアル。
(例えが下手だけど)強いて言えば「大型ショッピングセンター」もしくは「真夏の野外Jazz-Fest」。
ジーンズにポロシャツ、食事はPizza や大皿のハンバーガー、そしてダイエット・コークで腹ごしらえしたら、余計な気負いは一切なくして、とにかくみんなで楽しむ。
そんな感じが何とも楽しく、心地よい。