RD2003:11/14夜:「一応完売」

Dec. 5, 2003
posted by jtakao

今回は、始まる前の出来事をメインに。

仕事の状況が読めないので平日は前売りを買えず、今宵も当日券。しかし係員に訪ねたところ「一応、完売となっております」との事。「一応って何?」って聞いたら「どなたかから譲ってもらうとか…」なんていう回答。なんだ。結局は売り切れって事か。でもその後に小さな声で、「こちらの方が余ってるそうですよ」と、そばにいた外人さんを紹介してくれました。日本語苦手で余ったチケットを売るのに困っていた様子。この方から購入。
1F22列37番。なかなか良さそうな席ではありませんか。
正規窓口以外の売買に関してはスタッフには無関係どころか場合によっては迷惑な事もあると思うのですが、売りたい人と買いたい人が目の前にいるという事実に、業務外の行為でありながらお互いをハッピーにしてくれた係員の対応に感謝です。

ホール内に入り、その席を確認。すぐ前が通路の中央ブロック。前にミキサーがあるのでモニタとかの光が邪魔かな。でも前の人の頭が邪魔にならないから良いかも。座席を確認したら、あれ、だれか外人さんが座ってる。たぶん間違って座ってしまったのでしょうけど、どう言えばいいのだろう。とりあえずチケットを見せて、マイシートはユーの場所でユアシートはノットヒアーで…そんな時に係員から「お客様、お席ご案内致しますのでちょっとよろしいでしょうか」と声をかけられました。よくわからずそしてそのまま係員について行く。なにやら無線で打ち合わせながら僕を案内する係員。どんどん横へ。どこへ行くのだろう。そのままホールを出てしまった。そして誰もいない非常階段の踊り場へ。え、なんだろう、なんだかやばいチケット買わされてしまったのかな。すごく焦った。
「お客様のお席ですが、チケットの発売後に前にミキサーを置かれてしまいまして、それが邪魔になってダンサーの足元が見えなくなってしまいました。もしよろしければ別の席に移って頂こうと思うのですがよろしいでしょうか」
おー、そういう事だったのか。「ミキサーの前のお席になります。ですので、ちょうど音のいい席だと思います」との事。そしてチケットを交換してもらいました。あー、びっくりした。
もちろん「足元が見えない席」の全員を移動できるほどの空席は無いようで、ミキサー後ろの席でも移動せずに観ている方もいらっしゃいました。誰を選んで移動させていたのかはわかりませんが、少しでも多くのお客様を良い席に、という姿勢が感じられ、なかなか好感のもてる対応に感謝です。
そして1F19列40番。

譲ってもらったチケットがミキサーの「すぐ後ろ」。それが「すぐ前」になった。それだけでない、真っ正面になった。ハッピーにラッキーが加わった。おまけに後ろには誰もいないから、得意の青のフリースをたたんで座布団に。前の人の頭を気にすることなく舞台全体を楽しむことができました。

真っ正面。いいですね。Reel Around the Sunの後半、V字に広がる部分など、お〜っと思わず声が出そうになってしまいました。音のいい席と言われたからかもしれないけど、確かに中央だけに左右のスピーカーからの聞こえ方のバランスもいいし、ちょっと贅沢な雰囲気で楽しむことができました。

面白かった発見がFiredance。今年はスクリーンの映像が前(客席側)から投影されてます。だから、スクリーンの前に人がいると影ができてしまうんですよね。それがいまひとつ気に入らなかったのです。でも今日はそれが気に入った。ヨランダさんの影がヨランダさんの真後ろに見える。ヨランダさんの手と同じ動きの黒い影のヨランダさんが、本物のヨランダさんの両脇に見える。まるでバックでもう一人の真っ黒なヨランダさんの分身が、本物のヨランダさんの動きに合わせて踊っているよう。まるでそれはShivnaの逆。女性ダンサーの前で男性ダンサーが踊るのではなく、ヨランダさんの後ろで黒いダンサーが踊っている。赤いドレスに黒いダンサーのコントラストが美しい。もちろん二人(?)の息はピッタリ合っているから、観ていて不気味なほどに気持ちがいい。なかなか面白い雰囲気で楽しむことができました。
以前にマリア姐さんの公演の時だったかに、シルエットで踊る姿を見せてくれた事があったのを思い出しました。フラメンコの動き、それをシルエットにした時の美しさ、もちろんそれを意図してスクリーンの投影方法を変えたのではないと思いますが、この瞬間の僕にとっては、この変更はなかなか嬉しい副作用でした。

そんな二次元の影絵的な楽しみの後は一気に三次元へ。オーケストラ上空に楽器の破片が飛び回るというスペクタクルなパフォーマンス(じゃなくアクシデントか)を楽しみました。迫力を感じさせてくれましたね〜。奏者は大変だったと思うけど、楽しかったです。こんなアクシデントがあっても瞬間的にリカバリーができるのもすごいですよね。ひょっとして、よくある事なのかな。レイさんの折れたスティックの破片をキャッチした人って、一流の野球選手のホームランボールのキャッチより貴重だって僕は勝手に思ってるのだけど…。 よかったら下さい。

レポートお待ちしてます
あなたも自分の視点で書いてみませんか?