RD2003:11/12夜:ちょっとネガティブ。
11月12日夜 当日券。限りなくB席に近いA席。2階のずーっと後ろ、22列88番でした。
まずショックだったのは、「タップの交換」(おいおい、せめて「競演」って書いてくれよ)をカットという張り紙。楽しく盛り上がれる演目なだけに思わず「え゛〜」と言って張り紙の前で呆然。周囲ではそれほどショックを受けてるような感じの方は少ないようで、今日が初めて、そして特に観るのは今日だけという方々が大多数なのでしょう。「何か交換するの?」って声も。…それを考えると、果たしてこれでいいのだろうかと思ってしまう。
まず…舞台上方にある、照明設備を隠すためのパネル?、それが邪魔。とにかく邪魔。2階後方だと、それが邪魔になってスクリーンが見えなくなってしまうのです。僕の座った22列では、ほぼ上半分が見えない状態。例えばオープニングでは「Riverdance」のロゴが見えず、A Journyの文字しか見えません。まるで四季劇場C席。
まぁ、そんなイライラも、Reel Around the Sunのタップが聞こえるとどうでもよくなってしまいます。見えるダンサーは小さいけど群舞の美しさと豪快なサウンドは後ろで観てもやっぱり良いです。特に音。前回は前方サイドで観たのですが、スピーカーが近すぎてちょっと違和感。2階席ではさすがにそのような事はなく、結構まとまった感じの音がまるで舞台から直接聞こえてくるような雰囲気で楽しむことができました。
面白かったのがShivna。男性ダンサーのスポットライトが月の絵だったんですね。女性の後ろに手書き風の月の絵が(といっても上半分が見えない上弦の月でしたが)、そしてその下に、まるで月明かりで照らされているような月が。その意味をいろいろ考えるのも面白いです。この演目は2階で観るのが良いかも。二人のダンスもピタリと合っていて観ていて気持ちいいです。
で、2幕。体調不良なのはどちらの方なのだろう、そう思ってHeal There Heartsでダンサーを探すと、おや、お二方ともいない。おまけに舞台上手で歌っているロシアの方々も、左右の人数のバランスをそろえるためか減らされてるような気がしたけど(どうだっただろう)。1人欠けただけでここまで変わってしまうのか〜。そしていきなりマケドニアの朝が始まりました。この違和感、消化不良、何かやりのこしてる、忘れ物をしてる、喉になにか引っかかったような、靴に石が入ったような、しっくりこない雰囲気がここまで大きいとは予想できませんでした。
もしもこれが明確につながるストーリー性が高いものだったらどうなってしまうのだろう。特にこの演目は組曲の一部でもあり、それぞれの雰囲気が全然違う演目が一つの組曲として構成されていることを講演後にプログラムを見て、「あぁ、ここからここまでがひとつの組曲だったんだ」と思って、各演目で演じてた雰囲気を思い出すように、なぜこれがひとつの組なのか、それがどのような意味があるのか、それを味わうことも、このRiverdanceの奥深さなのではないかと思うのですが…。まるで三谷幸喜「オケピ」状態。
おまけにその次のRussian Dervishでは途中でお城の絵が消えてしまった。おいおい、絵のトラブル多くないか?
で、そんなイライラもすぐ忘れる。Yolandaさんの動きは美しい。迫力のマリアさん、魅惑のヨランダさんといったとこでしょうか。でも遠い。妖しく滑らかに動く腕は見えるものの、もっと妖しく動く指先まで見るにはオペラグラス必携。余談ですが、会場内でプログラム売ってましたけど、2階席ならオペラグラスも売れば売れると思う。というか、おい、みんな、オペラグラス買ってでも指先までしっかり観ろよ、そう言いたくなってしまいました。
そんなイマイチ感もモーリンの演奏で吹き飛び、Heartlandの群舞はやっぱりすごいぜ。そしてフィナーレ。しかしここでまた気になってしまう。タップの2人が出るところで、ぽっかりと穴が開いているんです。2人が踊っているはずの空間が。これはすごく寂しかった。こうなっちゃうんだ〜。残念だなぁ。体調はどうなのだろう、心配してここでは思いっきり拍手する気になれませんでした。
盛り上がりは…2階は、結構ムラがあります。盛り上がっているところは盛り上がっているけど、そうでないところはそうでない。残念ながら僕が座ったところは「そうでないところ」でした。残念…じゃなく、盛り上げればいいんだ、そう思って、よし、次こそは盛り上げようと、深みにハマっていくのでした。