RD2000:11/25夜:再会!
本日のネスレ:
ゴールドブレンド
きっとカット((c)Fujieさん)
+クランチ大盤振舞
手に入った席は1階37列。moriyさんの斜め後ろの席でした。うーむ。これでどうしてS席なんだ。いいとこA席じゃねーのか、などと悪態をつきつつ座る。
昨年は贅沢かな、と思いつつ前売り券を2回分買い、結局もっと観たくなってあと1回だけ当日券売場に並んだんですが、いちばん感動したのがその当日券の回だったという経験から、「ともかく観られるだけは観よう」と心に決めておりました。ひとつのステージを2度も3度も観るなんてそれまで無かったんですが、昨年の「リヴァーダンス体験」ですっかり人生が狂ってしまったんであります。
昨年の初来日が「楷書体」だとすれば、今年のリヴァーダンスは「行書体」だなあ、というのが第一印象。音楽もダンスも、より柔軟になったように感じました。
たとえば音楽。デクラン・マスターソンが『Caoineadh Chu Chulainn(Lament)』で従来とがらりとアレンジを変えてきたのには驚きました。みなさんの感想ではおおむね不評のようですが、あるいはデクランさん、この曲にすっかり飽きてしまったのでしょうか(笑)。
メンバー入替えで、ミュージシャン間でレベルの差ができてしまったのは否めませんが(特にアコとバゥロンが気になった)、ドラムスにレイ・フェンが加わったのは嬉しい。1998年にドーナル・ラニー・クールフィンのメンバーとしてのステージを見て以来ファンになったんですが、あのシャープなドラミングをたっぷり堪能できたのは本当に嬉しかった。ノエル・エクルスともども、やっぱり打楽器はこのショーのカナメですね。
ブランダンはすっかり逞しくなりましたねえ。「動」のマイケル・フラットレイ/「静」のコリン・ダン、ともにビデオでしか知らないので単純に比較はできませんが、あるいは両者を凌駕しうるオリジナリティを獲得したのではないでしょうか。誤解を恐れず言うなら「わかりやすさ」かな。キメどころで叫ぶかけ声や上半身の使い方などに、このひとならではの創意工夫が見られます。おそらくこれは、それまでアイリッシュ・ダンスなどというものをほとんど観たことがなかった多くの国や地域の観衆を相手に踊ってきた、その成果でありましょう。アジア地域を含むワールド・ツアーというのはフラットレイもダンも経験していないはずで、ブランダンは「フロンティア」と呼ぶにふさわしい貫禄を身につけて帰ってきてくれたのではないでしょうか。
同じように、ジョアン・ドイルがどう変わったかも確かめたかったんですが、ケガによるリタイアというのは本当に残念。このショーが、いかにハードなダンスなのかと言うことを改めて思い知らされました。
マリア・パヘスについては——これはもうみなさん絶賛の嵐なのであえて何も書きますまい。とにかく、再会できたのが何より嬉しい(誰よりも、と書きたいところですが)。昨年公演ではヨランダ・ゴンザレスを一度だけ観ており、上手い人だなあと感心していましたので、彼女の「進化ぶり」も興味のひとつだったのですが、これは次回の楽しみに取っておくことにします。
この夜は、あとで聞くと招待客関係がいたそうで、休憩時間の「きっとカット+クランチ大サービス」はそのためだったのね、と了解した次第。招待客の日は盛り上がりに欠ける、という法則があるのかどうか、客席はわりとクールだったように感じました(そういえば昨年の大阪公演でも、ジョン・マカルガンの来た3月13日夜公演は、出演者もクールでした ^^;)。
▲▽とんがりやま△▼NOV.2000