RD1999:3/14夜:公演レポート怒涛の3連発(笑)その3
昼食後当日券売場に直行。前には3人いるだけ。しかし、その後どんどん後方に列ができてゆく。ネット・サーフィンをしていて初めて知り、「おもろそうやんけ」と仕事を休んで来た兄ちゃんとか、リチャード三世だかリア王だかを観た帰りにこれも観ておこうと思って来た姉ちゃんとか、新聞をみて飛んできたおっちゃんとか、いろんな人が並んでいるから当日券売場は楽しい。
そういえば東京会場でしか入手できなかった筈のRiverdanceビニール袋を下げている人を見かけました。おっかけて来てますねえ。
当日券はS席または立ち見のいずれか。とーぜんSを買う。毒を食らわば皿までだ。…何か違うな。
死なばもろともだ。…これも違うか。
割り振られた席は、なんとミュージシャン席の真下。かなり前列だったからダンサーの顔はよく見える。3回の中で一番前の方だ。うーん。しかもミュージシャンの仕事ぶりもよくわかるぞ。ラッキー!…しかし、始まってから気付いたのだが、左の耳だ
けやたらやかましいのよね、この席。おまけにタップ音は殆ど聴こえない。まあ、そーゆーコトも生バンドならではですね。
2列うしろに、KONISHIKIか?と思うような容姿の(たぶん)アメリカ人がいた。
KONISHIKIよりかは小さかったけど。すぐ後ろにはよくしゃべる兄ちゃんがいて、やかましい。しかし、ショウが始まると彼ら、盛り上げる盛り上げる。Little KONISHIKI氏はタップ対決(3回観た中では一番アドリブが長かった)の時に絶妙のかけ声をしてダンサーの一人を喜ばせていたし、<よくしゃべる兄ちゃん>も吠える吠える(すっげ〜っ!おひょーっ!うわーっ!…などなど)。観客の興奮が舞台にも良いように作用したのか、ダンサーもシンガーも後半に向けてどんどんノってくるのが伝わってくる。演者のコンディションはもちろんのこと、観客の存在というのも実は舞台には大事なのだなあと、改めて実感。
吠えると言えば、ベースの人がノっていた。ステージでダンサーが決める度に、かけ声をかけまくる。もちろん客席にいるこっちだって負けられない。手が痛い。喉が熱い。そんなことなど気にしているのが惜しいくらい、片時もステージから目が離せない。
この回のステージ、ジョアンさんは昨日とは別人のようないい笑顔で最高のステップを披露してくれたし、もちろんブランダンも絶好調。マリア・パヘスに至っては、筆舌に尽くしがたい集中力とダンスで、もちろん3回観た中では文句無しに1番のステージでした。
Mairin Fahyとマリア・パヘスの掛け合いシーンは壮絶。ただでさえそんなに広くないフェスティバルホールの舞台ですが、ふたりが縦横無尽にステージを駆け回る様は圧巻としかいいようがない。マリアさんのカスタネットがまた、よく鳴るんだよなあ。それから、カスタネットを叩きながらバゥロン奏者に振り向くときの、あの楽しそうな笑顔といったら!ミュージシャン側の席に座れたおかげで、真正面で観られたあの豊かな笑顔は、ホントに一生忘れられません。
言うまでもなくスタンディング・オベーション率100%!前の席の老夫婦も、近くにいた女の子も、みんながみんな大はしゃぎでした。どなたかも書いておられましたが、こんなにすさまじいスタンディング・オベーションというのは初めて体験しました。いやあ、Riverdanceは観るものでも聴くものでもなく、体験するものなんですねえ…。
この回のを観ていなかったら、おそらく私のRiverdance体験は不完全燃焼に終わっていたでしょう。かりに私に一切の前知識がなかったら、きっとどの回を観ても腰を抜かしていたはずで、その意味で公演全体の平均点は高かったと思います(特に群舞のすばらしさは特筆ものでしょう)。だから不完全燃焼の一番の原因は、自分の頭の中で勝手に想像していたレヴェルがとんでもなく高すぎたことにあるのでしょうね。しかし、この晩の公演はそんな私の想像をすらはるかに超えるものでした。幸か不幸か、最後の最後に至福の瞬間を味わってしまったからには、もう後には戻れない。年内であろうが、来年であろうがどーんとかかってきなさい!(といいつつ、トロカデロ・デ・モンテカルロにはなって欲しくない…あれ、去年で解散だとか言ってたような気がするのだが今年も来るもんなあ…)