ライブ&レポート:『ノイズ&ファンク(BRING IN 'DA NOISE, BRING IN 'DA FUNK)』
日時: | 2003年2月27日(木)19:00〜 |
---|---|
会場: | 赤坂ACTシアター |
座席: | 4列18番 |
開場は18:30となっていたんですが、もう少し早くからロビー開場になってたみたいですね。入り口の脇にはこんな飾り付け。セヴィオンさまのご真影がぺたぺたと。
入り口でチラシや、スポンサーであるところのFree&Freeのカラードヘア用美容液など受け取りつつロビーにはいると、女の子、家族連れ、いかにもリズムタップやってますーな感じの男性陣、そしていかにも招待客な、一種異様なスーツおじさま方の群れ。
ロビー向かって右手の入り口に出演者のリストが出てます。
開演までに席はほぼ満席だったと思います。しかも前の方をスーツ軍団が占領するようなこともなく(20列あたりにかたまっていたのかな?)、周囲は若めの客層。
床はよくわからないんですが、コンパネにリノみたいなものを貼っているのか、もしくは塗っているのか、何にせよ良く鳴りそうな感じで、オーケストラピットをのぞくと割と狭くて5〜6人くらい入ればいっぱいかな、という大きさ。コントラバス・バンジョー&ギター・ドラム・キーボード、だったかな(自信なし)。あ、あと金管もありましたね。
全体2部構成で、前半は奴隷船の時代から工業化の時代、後半はハリウッド全盛期から現代までを舞台に、アメリカのブラックの人たちが経験してきたことを歌・ラップ・タップで描写していきます。この作品は1996年にブロードウェイでヒットしたんですが、Air的にはリバーダンスのNY進出と同時期ということでちょっと気になる作品ではあったわけです。さらには構成も歌・ダンス・演奏・それらのコンビネーションで成り立っていて、それらを統一するテーマはある民族なりある文化なりのルーツをたどっていく、というもので、なおかつともに非常に打撃系のパフォーマンスである、と、この2作品は非常に重なる部分を感じるわけです。
もちろん音楽はまったくといっていいほど異なるので、リバーダンスを好きな人がこの『ノイズ&ファンク』を気に入るかどうかはまた別ですけどね。
各曲の説明やなんかは1500円のパンフレットに詳しいのでそれを買っていただくとして、ここからは勝手な感想篇。まずなにより「Savionはすげぇ」。いままでも「これがSavionのスタイルだ」とお手本を見せてくれた方や、もしくは彼自身が出演しているビデオやなんかは見たことはあるんですけど、今回生でみて(聴いて)はじめて、「おお、みんながやりたがっていたのはこれか!」とわかった気がします。
音がすごいんです。前にも何度か書いたと思いますが、いわゆる「リズム系」というステップって、どんどんリズムを細かく細かく微分していって、本人の中では最終的に解決しても聴いている方はすっかりカウントを見失っている、ということが正直多いと思うのです。それはそれで突き詰めて、ついてこれるヤツだけ来い、という世界にしてもいいんですけれど、フツーの客は喜ぶまい、と思うのです。が、Savionのリズムは乗れるんです。無駄に細かくないし、細かくてもなにかうねりのようなものが感じられるし。
足もそんなに頑強そうなワケでもなく(実際は知らないけど)、すねもひざも驚くほど細い人なのに、足首のあたりが微妙にふるえただけで、刻みが細かくて、ダイナミックレンジ(音の大小の幅)の広い音が出る(彼のマイクだけエフェクターがかかっている?まさか)。しかもそれだけでなく、耳で追いやすい、いわばメロディアスな音になっているんです。うーむ、この言い方で通じるかなあ。
ACT1の3曲目に『Slave Ships』という演目があるのですが、過去の奴隷船の名前が次々朗詠されるなか、Savionが1人、ball(つま先の方)ですーっと床をこすって音を出しながら舞台をぐるっと回る場面があるんですが、ここの音なんか、木の船底に波の振動(もしくは船内の物音)が伝わってこもりながら広がっていくような想像が広がって、いきなりの鳥肌でございました。ただ(ball-ball-heel-heel)と踏んでるだけでもぞわあっと来ます。細かいとかどうとか、ではなくて音楽的かどうか、という話です。
あと鳥肌な演目はSavionさまのソロでたしか『GREEN, CHANEY, BUSTER, SLYDE』。けっこう長い演目だと思うんですが、飽きません。(あ、でもタップ好きじゃない人は飽きるかも。)
Savion以外で気になったのは、今回ACT2のKID役をやったDormeshiaさん。ポリバケツのドラムをバックに、Savion含む4人のダンサーで掛け合いをやる場面があるんですけど、Dormeshiaさんの音もSavionに近い聴きやすさがあります。具体的な比較はできませんけど、2人の音作りのスタイル自体似ているのではないかと。
会場の反応もかなりよく、ラストはスタンディングオベーション。客席から投げ込まれた花束。Savionが拾ってその中の一本をステージ中央に挿しながら下手へ退場。そんな仕草ひとつをとっても決まってる。この人ぁ存在感もすごい。
最後にグッズネタを。ロビーで各種グッズの販売してます。
プログラム1500円、Tシャツ(デザイン3種でサイズL・M・KIDS)2500円、タオル1500円。
ピンズ300円、サントラCD2500円、ブレスレット1600円、キーチェーン1200円、ライター1200円、ってなとこです。私はプログラムとTシャツだけ買いました(お忙しいところ写真取らせてくださってありがとうございました)。
ついでにもらったFree&Freeの試供品。袋が光っちゃうんで斜めから撮ってます。
- 参考サイト:
- 日本公演ページ(チケット情報などもあり)
- misoppaさんの[ゆけむり通信]vol.31