ライブ&レポート:「平和の森」初ライブ
日時: | 2002年8月24日(土) |
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場所: | 表参道ラパン・エ・アロ |
先日からイベント情報としてお知らせしてましたけど、行ってきましたラパン・エ・アロでの「平和の森」ライブ。
ここ1階がギャラリー、地下がホールになっているんですけど、この日は1階でいろいろアートな即売会(ああ、いい表現が見つからない)、地下では30分くらいずつバンド演奏あり、コントあり、ダンスあり、というような一種のお祭りでありました。一度入場料を払ってチケットを受け取ると、あとは出入り自由になっていて、地下ホールでのプログラムがひとつ終わるたびにゾロゾロと人が出たり入ったりしてました。
で、そのホールでのプログラムのひとつとして金子里朱生さん率いる「平和の森」のライブがあったというわけで。
今回出演のメンバーは馬1号「しん子」馬2号「りずむ」馬3号「ふじょー(藤尾さんの「ふじお」がなまったのではないかと)」、鳥1号「ゆうき」の御4方、あと馬4号「ワイチ」さんがいらっしゃるのですが地方競馬出場中(営業ともいう)で欠場とのこと。
なんで「馬」かというと、タップダンサーのことを、馬のひづめのhoofからhooferと言ったりしますが、そこからなんですって。で、ゆうきさんはボーカルで歌うから「鳥」。「第1回ライブ」というのも里朱生さんの自称で、実際には(ほぼ)このメンバーでいくつかステージに出てらっしゃるようです。
タップダンスにボーカル? と思った方もいらっしゃるかと思いますが、「平和の森」は普通のタップライブ以上に「聴かせる」ライブでした。最初のつかみはダンサー3人のアカペラタップでしたが、続いてゆうきさん登場後は、タップのリズムを伴奏にした、「島歌」「少年時代」などのメドレーでした。(あ、一部しん子さん・里朱生さんの「上を向いて歩こう」があったか(^_^))
カラオケなしでタップ音だけを伴奏にした歌、どんなものかと思いましたが、実際聴くとちゃんと乗れるものですね。選曲もいいんでしょうけど、生ボーカルは偉大だなあと。
ホール内は舞台が数10cm高くなってコンパネ(合板)が敷いてある以外はがらーんとして、観客は地べたに座るかわきで立ち見、という状態でした。マイクが2本ほどスタンドで立ててあって、かなりよくタップ音を拾ってました。
話はズレますが、開演前、だいぶ早めに着いたら、1階で御4方がだらーっと待機してらしたので、どーしたのかと思ったら里朱生さんが「下は空気悪いから」と。会場の換気が悪いのか、タバコ吸う人が多いのか、階段の下は(ホール内も含めて)もやーっと煙ってました。(少なくともある程度人数が入ったらホール内は禁煙にしてほしいなあ、と)
ライブは5分くらいずつの演目の合間に里朱生さんのトークが入る形で進みます。その中で、里朱生さんが小さい頃からミュージカルが好きで、家族で劇場に行った日の夜、お父さんのスーツの上着を着て舞台のマネをしてた、というような話があったんですが、その後の里朱生さんのソロが面白かった!
ボーカル入りの曲をPAから流し、マイクに見立てたクラベス(まあ拍子木ですな)を手に持って、歌手の表情を作りながら、上半身の振りも入れながらタップを踏むという「口パク足リアルタップ」。文字でどれだけ伝わるかわかりませんけど、ホントに里朱生さんがひとりで歌って踊って演奏している(歌以外はホントなんですけど)ように見えるんですよ。照明も赤・青・黄色がステージを跳ね回るハデハデなもの。場内に喚声が上がり、みんな熱が入って大拍手。わたしもこのネタがいちばん鳥肌でした。
他の曲でもふじょーさんやしん子さんは「リズムタップ的上半身」で、里朱生さんだけ、上半身にも一種パントマイムのような細やかな表情があるんで面白かったですけど(もしかしたらそういう落差を付ける演出なのかも)、この曲はホントに足も手も顔も、里朱生さんの全身からエネルギーが発散していくようで素敵でした。寄席芸的にというか一般営業的にというか、タップを知らない人たちに見せても感動すると思いますよ。
一転して「大きな古時計」。カッチカッチと時を刻む音をタップで表現しながらの一曲。タップ班の3人の出す音があまり複雑な音にならないで、この長い1曲を聴き通せるのは、ボーカルの良さはもちろん、タップ3人の音への集中力がスゴかったからではないかと。細かい音も鳴らせるぜぃというすごさではなく、キチッキチッと合わせるすごさ。それでいて単なるリズムマシンにはならず、メロディと詞の流れとともにタッチの変わる打撃音。聴いてる方もみんなシーンと集中して聴いていました。
ほんの30分ほどなのに非常に密度の濃いライブで、次回が楽しみであります。