ニュースアーカイブ:
宇川彩子さんライブ行ってきました
5/1に、吉祥寺の「赤いからす」さんというジャズバーでの宇川彩子さんのライブ『Tap Dance Night』いってきました(ピアノ今泉正明さん、ベース&サックス佐藤ハチ添彦さん)。わたしナマ宇川さんは今回が初めてだったんですけど、いや、すごかったです(吉野さんおすすめ感謝です)。
そんなに広くないお店で、客席とステージに段差があるわけでもなく、お酒を飲む目の前にピアノが置いてあって、ウッドベースが置いてあって、板が置いてあって、という感じ。板の広さはたたみ2畳分くらいなんですが、よくあるコンパネではなく、床材に使うような分厚くて固そうな板。
一晩に3回ステージで、1回20分くらいだったかと思うんですが、宇川さんほとんど踊りっぱなし。しかも後半はかなり細かく、遊びの入ったステップを連発してらっしゃいました。ついでにいうとハチさんの「前にサックスをぶら下げながら後ろ手で背後の横たわったベースを弾く」ワザは見た目かなりインパクトあります。
音の印象をどう表現するべきか悩むんですが・・・。またわかりにくい比喩で申し訳ないですけど、漱石の『夢十夜』で、彫刻は形を彫るんじゃなくて、木の中に埋まっている形を掘り出すんだ、みたいな話がありましたが(と、いま青空文庫で調べたら、第六夜でした)、あんな感じです。タップと他の楽器が合ってるかどうかとか、技術的にどうとかそういう話ではなくて、宇川さんが板に乗る前にすでにそこに音楽はあって、宇川さんはそこをきれいになぞっていくだけ、というような。だから踊っている宇川さんは汗ひとつかかず、ただ「そこにある音」を確かめるように着実にステップを踏んでいる(実際には「いやもう汗びっしょり!」っておっしゃってましたけど)。
終演後、「こういう場所がもっとあって、いろんなダンサーが活躍するようになって、ジャズを聴く人たち(プレイヤー側も含め)が『あの人はこういうスタイル、この人はこういう感じ』と、演奏の個性を語るようにタップダンサーの個性を語るようなれば面白いよね」というようなお話をされてました。「タップダンス観るのはじめてですー」と言われることがまだまだ多いそうで。
赤いからすさんでもまた来月あたりライブされるそうですし、その他にも六本木その他で踊られてますので、機会があればぜひご覧になってください。