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Ole! Bien!! Guapa!!! |
2/25夜 Fujieさん keiさん |
優雅であるとか流麗であるとか、まだ外の明るいBunkamuraオーチャードホール。 チラシの束を重いほど受け取りながら、8割以上が女性(しかも美人が多い?(。_☆\ (^_^;))を占める人の流れに紛れてロビーへと入るが、『本日の出演・・・』などという紹介は出ていない。VideoやCDも無く、フラメンコグッズやスペイン土産が並んでいるわけでもない。さらに重要なこと(^_^;に、"ネスカフェ"の声が聞こえない --- 開場までわずかに時間があるものの、ダブルのエスプレッソで時間を紛らわす程、カフェの席に余裕は無かった---しまった!(>_<) 素直に1500円の公演パンフレットを買い求めて席へ。 高級感のある漆黒の光沢紙を用いた表紙からは、赤いドレスのマリア・パヘスが窺う。シンプルなデザインであるけれど、いかにもマリア・パヘスらしく、このまま額装してもお洒落かと思う、、、が、その前に部屋の片づけが大変そうだから、しない。 ページ数こそ少ないものの今回の日本公演のために仕立てられたと思われるパンフレット。だが残念なことにキャストの名前は出ていても顔写真がない、、、なぜだ〜? <始まる前は気にならなかったけれど、見終わった今となっては、とても残念。 (気を取り直して) 演目(曲目)を見ると、やはりビル・ウィーランの名がある。ほかにマリア・カラス、(カットされたけれども)マイルス・デイヴィスなども目につき、ちょっと安心してみたりする。。。アイリーン・イベルス・・・おや? 黒衣のアルバ公爵夫人の肖像がステージに浮いているのを眺めながら開演を待っていると、ちょっと気の利いた(でもちょっと訛のある)アナウンスが、プラド美術館の扉を開いた。 マリア・パヘス 14列から観るステージは薄ぼんやりしていて、しかもわざと隠しているように足元を見ることが出来ない。紗のスクリーンの存在に気付くまで、しばらく事態が飲み込めないでいた。 わざわざ舞台前面にスクリーンを掛ける理由は、、、やっぱり。 Riverdanceでの"Fire Dance"や"Flamenco"でお馴染みのシルエットは、実に彼女らしい見せ場。掲示板でも話が出ていた通り、この人は自分の見(魅)せ方を心憎いまでに心得ている。 しかし、あまりにも洗練されていて、美しすぎる。 いや、それが悪いことでは、もちろん無い、が、あの伝統的(?)なフラメンコに見るような、心の奥底を解放しきった、人間の生臭さというか、泥臭さがない。---プラド美術館の、アルバ公爵夫人(女公爵)と恋する青年(パンフレットによると「恋人」)、そしてゴヤ、という設定なのだから当然と言えばまあ、そうなのだが、、、 もうちょっと毒があってもいいような気もする。 * 例えば、泉鏡花の描く魔性をこの人が演じたら、さぞかし凄まじい物を・・・あ、脱線失礼。 フラメンコの基本は、カンテ(唄)・ギター・バイレ(踊)と言われるが、"La TIRANA"で使用している楽曲をみると、その枠組みに囚われていない。むしろ、その"芯"とさえ言われるカンテをあえて押さえ、劇場空間を意識した(バイレ主導の)フラメンコを確立しようとしているようだ。 彼女の目指している所は「パセオ・フラメンコ2001/1月」のインタビュー記事に詳しい (良くも悪くも)フラメンコ/スペインと言えば『情熱の・・・』という枕詞を付けねば収まらない方もいて、そちら方面からは「ちょっとねえ・・・」という声も聞こえてきそうだ。しかし、それを承知で彼女は『フラメンコ表現の豊かな可能性』(パンフレット-Entarvisiaより)を伝えようとしている。評価は100年、200年後に任せればいいと言うのである。何ともダイナミックな女(ひと)だ。 そのようなしっかりとしたビジョンがあるからこそ、"La TIRANA"のような作品を生み出せるのだろう。 カスタ・ディーヴァ/カノン・・・など、どれをとっても幻想的なほどに美しく、決して退屈ではない。しかし、マリア・パヘスのスタイル---特に(あの長い腕をもってしてみせる)ブラセオの豊かで美しい表情---は私を陶酔させ、催眠術のように別の世界へ・・・・・・(*_*)(+_+)(-_-)zzzzz...... おっと(‥;) 一流のエンターテイメント 小道具も分かり易く、しかも粋に登場するところなどは、多くの人が理屈抜きに楽しめるように造り込まれている 一口にフラメンコと言ったって多様なワケで、正直なところ、カンテの「濃いやつ」を延々と綴られるよりも、このように現代的(?)なステージスタイルの構成の方が、私のようなフラメンコにさして明るくない者にとっても、馴染みやすくて良かった。---そうは言ってもあのオープニングには少々面くらいましたけど(^_^; ステージ上での早変わりから息をも吐かせぬ程見事なマントン捌き。 グアヒーラで見せる天上を舞う蝶のごときアバニコ。 速くメリハリのあるピトスとホールに響き渡るパルマス。 軽やかなパリージョスに粋でお茶目(グラシア)なアバニコ。 バストンが打つマルティネーテ・・・・・・ 唖然、呆然、カッコ良過ぎ!(あ、誉めすぎ?) ---フラメンコを知らない人には入り口として、アフィシオナード達にはそれなりに・・・。 そう言った意味では、Riverdanceと同様に間口が広い。 (24日とは構成が変わっていたようなのですが、誰か・・・) 織りなす個性 フラメンコは歳を経るごとに、、、などと言われるが、警備員・ゴヤを演じたマノロ・マリンヽ(^。^)丿---力の抜けた、しかし歯切れいい身のこなしは、まさに円熟の味。(そう言えばRDやLOTDにはこういう人いなかったですね〜) 一方でカンパニーの若いバイラオールの実力も、見逃せない。(青年=恋人役はアンヘル・ムニョスではなかったようで・・・ゴメン、よく覚えていない(^_^;) 特に4人の若い女性バイラオール(バイラオーラ?)が、それぞれに個性的ではあるものの、見事に調和する。 アレグリアスではスカートを操り、マリア・パヘスとはまた違う=生身の色香を漂わせてセクシーに踊る姿には、正直"くら〜っ"と ・・・(;^_^)ゞ 終盤は、マリア・パヘスがそれぞれと絡みながら、次第にフィナーレへ---個性豊かなバイレが絶妙にシンクロし、サパテアードが押し寄せる。 鳴りやまぬ拍手に応えたマリア・パヘスの姿に、鳥肌が立った。 アフィシオナード/アフィシオナーダはどう見たのだろう? Riverdanceのステージで圧倒的存在感を示した彼女が、晴れて自らのカンパニーを率いての来日公演。今後Riverdanceのステージで彼女を観ることが出来るかどうか分からないだけに(多分なさそう)、やはり今回の公演は観てよかった。 でも、こうしてレポートなどをしたためようとしても、何ともはや私の器量が追いつきません(T^T)。うろ覚えの用語を再確認したりしているうちに、さらに混乱する一方で・・・ なにしろ所々デュエンデならぬ睡魔に打たれて気絶していただけに、、、(^_^; 無理してフラメンコ用語を並べる必要はない、と言うか却って混乱する原因なのですが、そこは一つご愛敬と言うことで。 (だって知ってる言葉を使ってみたかったのさぁ・・・(;^_^)ゞ) 勘違いや、タコな記述など沢山あると思いますが、ご指摘・お叱りなどの際にはFujieまでお寄せ下さい。 その都度必要に応じて、、、 あ、いつもお手数お掛けしますm(__)m>moriyさん。 2001年03月07日 文責 Fujie 追記 あ、間違ってもワタシに詳しいことを尋ねたりしないでね だってワタシ、“なんちゃってアフィシオナード”ですから(^_^;;; 用語解説 おまけ
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