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ERINさんのRD Homecomingレポート |
RD Homecoming ERINさん 西川さん(1) 西川さん(2) けいとさん |
the Homecoming at Point Theatre in Dublin on July 15, 2000. 私は7/15(土)夜8時の部の公演をアイリッシュの友人と二人で見に行きました。席はD列1,2番、舞台から向かって右端で前から4列目という位置でした。端と言っても舞台のすそに近いような場所ではなく、ダンサ−が右手で踊る位置くらいの場所だったので、舞台全体もよく見えとてもラッキ−でした。座席の向きも真正面ではなくやや舞台中央に向かって斜めに配置されていたように思います。とにかく舞台に近いため、プリンシパルたちが右端であいさつする時はばっちり顔もよく見えました。舞台は高くなっており一番前の列は段差がなかったように見えましたが、2列名以降は段差が十分あるため、座高が高くて見えづらいということもなかったです。少なくとも国際フォ−ラムや赤坂ACTシアタ−の端っこ席より格段にいいです!友人によれば、ポイント・シアタ−はポイント・デポとも呼ばれ元々は船荷倉庫だったところで、その後ある裕福なビジネスマンが買い取り、コンサ−ト会場として使用したのが始まりだということでした。そのため、国際フォ−ラムのような劇場というような室内ではなく、室内は黒っぽく天上が高くてがらんとしたいかにも倉庫の中に座席とステ−ジがあるというような感じでした。 私たちはその日の午後西アイルランドはGalwayから車で向かいDublin到着は6時半頃でした。私は宿にチェックインし着替える暇もなくラフな軽装で出かける羽目になりました。(もっともドレスアップしている人もほとんどいなかったけど。)食事もそこそこに済ませ、友人の車で大急ぎで会場に向かい、着いた時は既に8時を回る直前でした。 大急ぎでBOX OFFICEでチケットを受け取り、駐車場から歩いてくる友人を戸口で待ちながら、もし開演に遅れたらわざわざ日本から来た甲斐がなくなると内心はらはらどきどきでした。係員も「もうすぐ開演します。ドアを閉めますから、急いで!」と繰り返し叫んでいました。アイリッシュは時間にル−ズで遅刻なんてへっちゃらという人が多いから、果たして時間通り開演するのか半信半疑でしたが、それでも約15分後れ(Feet of Flames2000の開演時は20分遅れだった。)で開演してくれたおかげで、着席後もどきどきわくわくしながら、開演を心待ちにすることができました。開演直前に「携帯電話の電源OFFとビデオ・カメラのフラッシュ撮影は禁止されています。」のアナウンスが入ったのに、ナレ−ション+音楽がスタ−トした直後、斜め前の中年アイリッシュ女性の携帯電話が突然鳴り出すわ、シ−ン毎にカメラのフラッシュ撮影が毎回次々と行われるやらで、興ざめさせられました。報道関係者ならぬ、観客達によるもので、現に私の2列後ろの若者も堂々と手持ちのカメラでフラッシュ撮影していたのを発見、始まった直後「誰だ、カメラで撮影しているのは、まっくけしからん。」というような観客席から文句も聞えてきましたけど、マナ−違反が堂々と悪びれず行われているのにはあきれました。場内には警備員も立っていなかったし、入場時にカメラ・チェックもなかったです。(Feet of Flames2000のカメラ・チェックは厳しかったのに)その後も警告のアナウンスは一度もなかった。そのため撮り放題でしたよ。ダンサ−たちもいやな顔している様子はなかった。あいにくカメラを持っていかなかった私は、ちょっと馬鹿みたな−って思いました。それにしても、フラッシュが光るたびに見ているほうとしては落ち着きませんし、水差されたような感じでマナ−の悪さがとても気になりました。 いよいよこれから本題に入りますが、一つお断りしておきたいことがあります。 私は、昨年の来日公演ではBreandan&Joanne+Maria Pagesさんによる舞台は見られませんでした。マチネ−公演でUnderstudyが出演したので正直かなりがっかりし、印象も薄かったです。よって昨年のプリンシパルが出演した舞台との明確な比較はできませんし、ダンスも素人なのでステップについてや昨年との振付けの違いとか微細な点についてはご報告できませんのであしからず。 ちなみに、公式プログラムは以前SOTDのオフ会で見せていただいた、Broadway版と本体は同じ(写真も同様)もので、中にはさんである金色表紙の小冊子に演目とキャスティング・リストがついていて、それがLiffey Companyのものになっているのが相違点です。 冒頭のReel Around The Sunが始まり、しばらくしてBreandanさんがさっそうと登場。Feet of Flames 2000でも感じたことですが、まずはりつめたような緊張感が心地よいほど迫ってきます。 この舞台にかける意気込みでぐいぐい圧倒されるような感じ。とにかくBrendanさんのきびきびした要所要所でばっちり決まるダイナミックなポ−ズと高速タップ(これはマイケルに勝るとも劣らないスピ−ドと切れ味があり、その迫力に圧倒されました。)で舞台が引き締まります。バックダンサ−たちを率いて先頭で踊る場面も貫禄十分でしたね。 彼は既にマイケル・フラットレイと一歩もひけを取らないではないか!というのが正直な感想です。見る前はマイケルのようなエンタテイメント性+サ−ビス精神たっぷりのイケイケ的パフォ−マンスとは違って、ブレンダンさんのは一見地味な印象を受けるのではと思っていました。でも、彼のダンスは正統派をゆくもの、品格がありダンスの王道を着実に進んでいるよう。見ているほうも背筋をピンとただしたくなる。彼は月並みな言い方をすれば脂が乗っていて今が旬の味、且つ円熟味を増してきていると感じられました。ダンサ−として体力的にも精神的にもまさに絶好調のようです。彼はいい意味で自信にあふれ、ダンスにかける彼の深い情熱や真摯な思いまでが伝わってくるようでした。これまでマイケル様が一番!と思っていた私には新鮮で深い感動をもたらしてくれ、正に目からうろこが落ちるような思いを感じました。皆さんはちょっとほめすぎなのではとお思いでしょうが、この日の舞台は完璧、全出演者が一丸となって、IRELANDの観客の声援と熱い期待に見事に応え、プレッシャ−をはねのけて120%以上の出来栄えだったと私個人は思っています。 それにしても、Dublin Point Theatre公演は彼らにとっても待ちに待ったもので、その位置づけと、舞台にかける情熱も別格なのではということをひしひしと感じましたね。とにかく意義深いことは確かです。 私はRiverdanceの宣伝係ではないです。ただ、私がRiverdance発生の地である本国 IRELANDで多数のIrishの観客に混じって見た、素直な感動・感激を伝えたいという思いで書いています。但し、個人的なこととしてはIRELANDにこの10年間で14回訪れていることもあり、旅行レベルを超えてこの国への思い入れと愛情が深い分、他の日本人の方でこの公演を見に行かれる方が受ける感動や印象とはちょっと度合いが異なっているかも知れません。だから、その分割り引いて読んでいただいてもかまいませんよ。 Joanneさんも素晴らしかったです。彼女のダンスには気品があり、凛としたもの(それは彼女も自分の踊りに自信と信頼を深めているからだと思います。)を感じました。特に印象的だったのは、ソフト・シュ−ズで手を使う表現力の豊かさ。その時ラッキ−なことに右端よりで間近に見ることができたのですが、しなやかで指先まで細やかに神経が行き届いた、その優雅な指の動きと表現力にはっと息をのみました。そしてRiverdanceでは紫色のコスチュ−ムにティアラみたいな髪飾りをつけていたと思いますが(別の場面の記憶違いならごめんなさい。)、彼女の美しいブロンドとよく合い優雅でとても美しかった!彼女もきびきびした踊りを見せ、ハ−ド・シュ−ズ、ソフト。シュ−ズ共、まっすぐにピンと腕を下ろしたまま正確で速いタップを刻み、むしろ余裕さえ感じましたね。しかも彼女ハ−ド・シュ−ズで爪先立ち(回転もあり)を何度も見せてくれました。私は踊ったことがないから、バレエのような本当のつま先立ちだったかどうか100%断定できないけど、そう思えるくらいピンと背筋が伸びまっすぐ立っていたのは事実。アイリッシュ・ダンスを習っているある友人が、「ハ−ド・シュ−ズやソフト・シュ−ズでたまにつま先立ちするダンサ−もいるけど、足指が一体どうなっちゃうだろう。足を痛めるし、恐くてできない。」と以前語っていましたが。ジョアンさんほどになると難なく出来てしまう実力があるんですね。驚きました。 ブレンダンさんとも息がぴったりで調和のとれたゴ−ルデン・コンビだと思います。初代マイケル&ジ−ンより安定感があり、安心して見ていられる感さえ。この二人はもう初代コンビを超えていますね。一歩もひけを取らず全く遜色ないです。彼らは正にRiverdanceのために生まれてきたダンサ−たちなのではと感じました。マイケル&ジ−ン、コリン&ジ−ンのコンビたちの単なる踏襲ではなく、Riverdanceのプリンシパルとしては3代目であるけど自分達のカラ−をきっちり持っています。まさに「ダンスの王道を行く」が如しです。 Maria Pagesさんはもうさすが!の一言に尽きます。彼女の存在感は格別、踊りも風格ありますよ。昨年私が見たマチネ−の日本公演は代役の方だったと思うのでいよいよ本物を見れるのかと思うと感激ひとしおでした。彼女ビデオで見た頃よりやせたというのが第一印象です。体にぴったりしたフラメンコのドレスを着た姿は、横から見ても線がきれいでプロポ−ションすっきりと締まった分、踊っている姿はよりいっそう妖艶且つ大人の女性の魅力があふれセクシ−でした。彼女のソロ「Firedance」の圧巻的で情熱的なフラメンコはもちろん、ブレンダンさんとからむ「Heartbeat of The New World-Andalucia」(黒のドレス姿もまた品があって良かった!)でもブレンダンさんと火花を散らす見せ場で盛り上げ、大いに満足させてくれました。彼女の踊りは以前にも増して円熟味があり、貫禄十分ですね。今回の迫力はビデオで見るよりすごいものがありました。彼女もブレンダンさんやジョアンさん同様相当な気合が入っていたようです。魂の入ったダンスと言っても過言ではないくらい。カスタネットで演奏にも参加して陽気な一面も見せてくれました。そして彼女は観客の声援に優しい笑顔で、何度も優雅なおじぎで応える姿にも好感がもてました。彼女の人柄をかいまみれた思いがします。 それから、席が前方斜め横だったのでブレンダンさんやジョアンさんのソロのタップでは、スピ−カ−を通した音のみならず、「生のタップ音」も確かに識別できました。Riverdanceの群舞ではバック・ダンサ−6人にしてはちょっと音が大きすぎて不自然に思えたので、タップ音の録音も使っていたかも知れませんが推測の域を出ません。 個人的な好みでは、4 Caoineadh Chu Chulainn (Lament)のUillean Pipesの演奏が白眉でじ−んとしました。前から大好きなチュ−ンです。 若手女性fiddlerも軽快で速いチュ−ンを難なく次々と奏で、会場を沸かせてくれました。そのテクニックに驚かされました。この国のfiddlerの層は厚いですね。 Moscow Folk Ballet Companyによる6 Shinvaは男女ソロが登場し、コスチュ−ムも踊りも幻想的な雰囲気に満ちしばし夢の世界へいざなってくれました。 とにかく始まりから前半最後のRiverdanceまで、あれよあれよという間に終わってしまった感があります。目は舞台に釘付け、没頭して見てましたね。Riverdanceは前半最大の山場で楽しかったし、ブレンダンさん&ジョアンさん以下バック・ダンサ−たちも大いに盛り上げてくれたのですが、観客の反応は意外にお行儀良くてスタンディング・オベ−ションは無かったです。あれ−?拍子抜けって感じ。それだけ、この国の観客側の求めるレベル、期待値が高すぎるのかってこと? 後半、10.Americann Wakeでは日本公演同様男女ソロ・シンガ−によるLift the Wingが聞かれました。Kissシ−ンもあった。 II ) Trading Tapsでは黒人タップ・ダンサ−たち3人との火花を散らす競演で大いに客席も盛り上がりました。ようやく観客も熱くなってきたようで声援も多かった。タップ・ダンサ−たちのパフォ−マンスもお見事でしたが、迎え撃つブレンダンさんたち3人も白熱したタップを披露してくれ、ブレンダンさんはちょっと余裕さえ見せていましたね。ここでの高速タップも圧巻でした。 続くIII) Morning In Macedoniaの冒頭はサキソフォンとエキゾチックな楽器(名前わかりません)との哀愁味のあるメロディ−が奏でられ、とても雰囲気があって聞き惚れました。Moscow Folk Ballet Companyのアクロバティックなダンスも以前にも増して見ごたえありました。 V) Ri Raは新作ですね。カラフルなコスチュ−ムで出演者一同が揃って楽しかったです。 12 Home And The HeartlandはBroadway公演では無かったと聞きましたが、ここDUBLINのHomecomingでは抜きでは済まされないでしょう。観客たちもここからいよいよクライマックスの盛り上がりを見せはじめ、とても感動的でした。歌もいいですね! いよいよFinaleでは、最高潮に達し、声援、スタンディング・オベ−ションも続々出始め、最高でした。出演者一同ずらりと並び、そのままアンコ−ルに突入し(一度楽屋にひっこまず)立て続けにす2回Finaleを繰り返すパフォ−マンスを見せてくれました。皆達成感に満ち溢れたいい笑顔してましたよ。一階席後方からどっと観客が最前列の前に横並びで立ち見となり、びっくり。アンコ−ルでようやく私の友人も遅まきながらスタンディング・オベ−ションをし、私たちもそのまま立って見ました。段差があるおかげで、支障なく見えました。 とにかくあっという間に終わってしまってなごりおしかったです。無我夢中で見てこんなに時間が短く感じられる舞台も他にないのでは?友人は誘った当初(1月)あまり気乗りしなかったようですが、7月に入ってようやく楽しみだと言うようになり、実際Riverdanceを生で見て期待と想像以上に感動した様子でした。「一晩中でも一日中見ても飽きないくらい。自分の家族、友人はもちろんこの国の人みんながRiverdanceショウを見るべきだよ。みんなに今日の舞台のことを教えなくちゃ。彼らは本当に世界を回るいい親善大使だと思う。誘ってくれて本当に感謝している。」と語ってくれました。 私もブレンダンさん、ジョアンさん&マリアさんの舞台は今回が初めてだったけど、それをここDublinはPoint Theatreで見ることができたのはとても幸運だったし、Irishの友人と感動を分かち合えたことと合わせて、一生の良き思い出=宝物となることでしょう。とても意義深い経験でした。
Starring : Breandan De Gallai and Joanne Doyle with Maria Pages Moscow Folk Ballet Company The Riverdance Singers: Kay Lynch, Morgan Crowley他 The Riverdance Orchestra Maririn Fahy: Fiddle Declan Masterson: Uillean Pipes, Low Whistle, etc. Poetry Narrated By Liam Neeson The Liffey Companyのその他のメンバ−名の詳細はRiverdance Onlineでご確認下さい。 http://www.riverdance.com/1.0/1.2/1.2.4/Liffey/index.php3
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