海外記事翻訳:Jean Butlerインタビュー
原文掲載サイト: | Antonio Pacelli |
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Jean Butlerインタビュー
DODGのこと、将来のこと、そしてウェブサイトについてJeanに聞く
今回は、ステージを魅了してきたもっとも有名な女性ダンサー、Jean Butlerのインタビューをお届けします。『Dancing on Dangerous Ground』のことや、人前に出なくなってからいままで何をしていたのか、そして将来の展望について聞きます。
Jean、しばらく人前に姿を見せませんでしたが、今まで何をしていたんですか?
『Dangerous Ground』のあと、ダンスを休むことにしたの。肉体的にも精神的にも休息が必要だと思ったから。そしてダンス以外の活動を始めたのよ。アイルランドの雑誌でいくつか連載を持ったりして。もともと書くことは好きだったし、毎月締切があると、書く力がすごく鍛えられるわね。あとはドキュメンタリー番組の企画でテレビ局とも仕事をしたし、もちろん、女優としての仕事をする機会もあったわ。去年3本の映画に関わったけど、とても得るものの多い経験だった。たぶんその世界にちょっとだけ入って、すぐに出て行く感じだったからなおさら(短い時間だったから印象が強い)なのかもね。俳優業の人たちは尊敬しちゃうわ。とてもきつい生活よ。そんなことをしている間に結婚もしたし、結婚ってとてもいいものよ。まあ、だいたいにおいて素晴らしい2〜3年だったわね。
『Dancing on Dangerous Ground』は観客に新しい方向性を提示しました。そのことがイギリス公演で評判を落とすことにつながったと思いますか? それともその方向性を示すことがそもそもの目的だったのでしょうか?
『Dangerous Ground』は、性格の描写と、演劇のようなセットで、複雑なストーリーをダンスを使って語るアイリッシュダンスショウの先駆けだったわ。DODG以前のほとんどの作品は、昔からのバラエティショウの流れに沿ったものだったから。私はイギリスの観客が問題だったとは少しも思っていないわ。あの作品はだいたい好意的に受け入れられたと思う。アイリッシュダンスを見栄え良く見せる方法はそれなりに確立されているけれど、ほかの誰かが成功したやり方をそのまま真似したくはなかったし。私たちはアイリッシュダンスの表現の限界に挑戦して、なにか独自のものを作りたかったの。そういう独自なものを作る場合には、予測できない問題が必ず起こるものなのよ。たとえば、あの舞台のセットはとても高価で、凝った作りになっていたから、設営するのに予想より長い時間がかかってしまって、その影響で充分にリハーサルの時間が取れないまま公演開始になってしまったのよ。思うほどできあがっていない状態で公演は始まってしまったけれど、私たちは毎日、見直すべき部分を一生懸命に練習したの。その努力は報われて、ニューヨーク公演ではダンスショウとしては最高級の評判を取ったわ。
あなたはDODGに非常に力を注いでいたわけですが、公演を終了しなければならなくなったときにはどのような気持ちでしたか?
個人的にももちろんショックだったけど、ショウを一緒に作り上げてきたダンサーやスタッフはもっとショックだったと思うわ。ダンサーたちはとても優秀で、たいへんな努力をしていたから、彼らの成長を続けさせてあげられなかったのはとても残念だわ。私たちはあの作品の中でとても特別で、重要なものを作り出したと思っているから、(機会があれば)またいつでも喜んで同じことをするつもりよ。
もし、アメリカ公演が先にあって、その後にロンドンでの開幕を迎えられていたらと思うことはありますか?
終わったことの話をするのは難しいわね。もちろんアメリカ公演の頃のほうがずっと出来は良かったけれど。でも舞台作りにリスクは付き物だし、後知恵では何とでも言えるしね。過ぎたことは変えられないんだし、これからのことを考えましょうよ。
たくさんのアイリッシュダンスのショウが世界中で開催されています。この形式のショウはもう完成されたと思われますか?それとも何か新しいものが出てくる可能性はあるのでしょうか?
いまも地球のどこかで、同じような感じのアイリッシュダンスショウをいくつもやっているのよね。そういうショウが生み出す金額を考えたら当然だと思うわ。それらのショウにニーズがある限りはその成功も続くんでしょうね。このジャンルは市場規模はとても大きいから、こんなにたくさんの作品が出てきたのよ。でも、そうね、新しいものが出てくる可能性はつねにあると思う。
この先5年のアイリッシュダンスはどうなると考えていますか? ジャズやタップ、バレエなどと並んでメジャーなダンスとして認識されつつあるのでしょうか?
5年先にどうなっているかわからないけど、いまもうすでにメジャーなダンスになっていると思うわよ。でもバレエとは違って、そのジャンルを発展させていくシステムがないの。毎日のカリキュラムにテクニックや振り付けのクラスのある舞台芸術の専門校があれば、プロを目指したり、表現の境界を押し広げようとするダンサーたちにとっていい助けになると思うんだけど。それに、世界選手権にinterceptive choreography部門(訳注:なんかのスペルミスじゃあないかと。識者の意見求むです)があってもいいと思うんだけど、伝統を変えるのはとても難しいのよね。
あなたが参加していた頃と比べて、いまの世界選手権のダンサーの水準はどうですか?
だいたい同じくらいかしら。ただ低い年齢層のダンサーの身体能力はとても高いわね。でも私たちの頃は各個人の「スタイル」が際だっていたわね。今は靴も進歩してるし、衣装も軽くなっているから、すこし踊りやすくなっているでしょう。それもいいことばかりじゃないんだけれどね。私はベルベットよりシルクのドレスの方が軽くて大好きなんだけど、あのヘビーシューズの大きなチップ(訳注:靴のつま先側についている部品。ここが大きいとつま先立ちがしやすい)は気になるわね。私たちの頃は自分のつま先でバランスを取れなきゃいけなかったのよ!
あなたは若くして豊かなキャリアを歩んでこられたわけですが、いままで成し遂げてきたことを振り返ったとき、個人的にもっとも満足できることは何ですか?
自分にとってダンスは現在進行中のことで、これから一生続けていくことだと思っているから、そんなに昔のことを振り返ったりはしないわ。あることが一番満足だったなんて言ったら、ほかのことが不満だったみたいだし、なにかもう引退してしまったような感じじゃない?
アイリッシュダンスショウでキャリアを積んでいこうと思っているダンサーたちになにかアドバイスはありませんか?
何より最初に、身体がどのように動いているかを学ぶことを勧めるわ。どんなダンススタイルにも柔軟に対応できるテクニックを習得することね。世の中には素晴らしいダンサーが確かにたくさんいるけれど、みんな自分の流儀に固まってしまって柔軟性がなくなっていると思うの。ダンサーっていうのは、プロの現場で要求されることはどんなことでもこなせて当然だと思うんだけど、大部分のアイリッシュダンサーは、ミュージシャンが耳で曲を憶えるみたいに見よう見まねでしか学んでいないのね。ちゃんとしたテクニックを身につければ、ひとつひとつの動きがどうなっているのか理解できるし、その動きを身につけるのも楽になるわよ。
DODGでの経験をもとに、これからアイリッシュダンスにおいて創造性の枠組みを広げようとしているダンサーたちにアドバイスすることは?
すでに誰かがやったことを繰り返すのではなく、できる限りオリジナルであるように努力すること。そこで得られたものはかならず自信につながるわ。
最新の情報を伝えるためのWebサイトを開設しましたね。デザインやコンテンツにはかなり関わったのでしょうか?
Clever Cherryのみんながすてきなサイトを作ってくれて、とっても満足してるわ。私たちはすべてにおいて協力しあって、彼らがデザインを、わたしがコンテンツのほとんどを受け持ったの。
今後サイトでは何か新しい企画がありますか?
いま私が関わっているプロジェクトの面白い情報がたくさん載ると思うわよ・・・今はまだ言えないんだけど。
あなた自身やあなたの活動について書いているファンサイトを見たことはありますか? 怖いとか、ほめすぎてるとか思いますか?
ほめすぎとしか思えないようなサイトがたくさんあるわね。自分のサイトを立ち上げたから、これからはファンのみんなに直接言葉を伝えられるようになるわ。そうすればいつでもみんなに情報を伝えられるし、妙な噂が出回ることもなくなるでしょう。
ご結婚おめでとうございます。結婚生活はあなたの将来の活動に影響がありますか?
結婚生活はほんとうに素晴らしいわよ。夫は私のことを信じて、私のしていることに協力してくれてるわ。
これからの予定で、いま公表できるものはありますか?
いまはまだ・・・でも数ヶ月のうちに、Webサイトに最新情報を載せるから見てね。
矢継ぎ早の質問です。最近7日間で一番良く聞いたCDは?
先週引っ越ししたばっかりで、荷物を開ける音しか聴いていないわ。スピーカーをステレオにくっつける線も見つからないし。
好みの夕食は?
食べることは大好きよ。外で食べるなら日本食がいいわね。うちで食べるなら、いい友達といいワインがあればなんでもいいわ。
ケータイの着メロは?
特に考えたこともないわ。買ったときのままかな。