コラム:靴を買うのだ(その4)
2日後。
いつものスタジオで、レッスンが終わると夜の10時。
おもむろに例のシューズを取り出すmoriyなのです。
「どうよ、これ」とひとしきり周囲に見せびらかす。むははは。
「・・・ねえ、」
「はいなっ!」
「それちょっとはいてみせてよ」
「そうそう、どんな音すんの?」
「ん・・それじゃあ、ちょっとだけね」
と足を入れ、ストラップを締めるmoriy(実はそうやって声をかけられるのを待ってたという話もある)。
せーのっ!
スタンプ・シャッフル・ホップ・バック・シャッフル・ホップ・バック・シャッフル・ホップ・バック・シャッフル・ホップ・バック・シャッフル・ホッずでっ!・・・・あたたた。
やっぱりすべるんですよ。慣れれば済む話なのかどうなのか。
でも、音はいい。ものすごくいい。木の床で鳴らすこの音!
金属チップのシャッフル音が「コカカカ・・」だとすれば、ファイバーチップは「トタタタ・・・」という感じ。
同じく金属のスタンプが「バンッ!」なら、ファイバーは「ダンッ!」。
んー、なんて言えばいいのかな。
音のアタックの部分で、金属の硬いエッジ感があるかどうかの差。たとえばシンバルと拍子木の差。見た目そのまんまだな。
さっそくその場で2人の買い手と、さらに2人の有望顧客がつきました、と言えば、その音の印象がどんなに強かったか、わかるでしょ? ・・・いろんなスタジオまわって実演販売やろうかな(^_^;)。(2004.3注:もちろんやりませんでしたよ。売る売らないの話以前に、その場でそういう靴を取り出していいかとか、場の感覚の必要性はつねに考えてるつもりです)
RutherfordのFrancisさんにメール。2足まとめていくら? と聞いたら、「一足111ドルで送料が20ドル。2足ならしめて262ドル」とのこと。一度に送れば送料は少し安くなりそうなもんだけど、在庫の関係で別々に送るってことも考えられるから、いちおう納得しておく。
「ところでMori、日本で何やってんの?」
タップやってるんですけどね。こないだ送ってもらったJig Shoesをスタジオ持っていったら、みんなめずらしがって、ほしいって人が2人もいたんですよ。ほかにもまだいるかもしれないです。
「おお、グレート!最近はアイリッシュダンスも大人気だからね。こないだうちの店に、オリジナル(Michael Flatleyのころってこと?)のリヴァーダンスに出てた人が来て、去年アイルランドのAll World Competitionで日本人のダンサーを見たって言ってたよ」
え、誰だ誰だ誰だ!?
(あとで知ったんですけど、かの地に駿台アイルランド国際学校という高校があって、そこのダンス部がコンペに出て入賞してたりするそうな。もしかしたらそこの子のことかもしれませんね。今村さん情報感謝です。)
で、まあ、そんなやりとりをしてるうちに届いたのがこの靴。包みはひとつ、中身は2足、送料は・・・27.25ドル。むむむ・・・(-_-#)
うう、相変わらずの仕上げの粗さ・・・。