コラム:靴を買うのだ(その1)
"Riverdance the New Show"のビデオの冒頭。
airをバックに、ゆったりしたナレーション。
続いて"Reel around the Sun"。弦のイントロから、パイプのフレーズが始まると同時に、女性ダンサーの足がムチのように振り下ろされ・・・
あ、そこで一時停止。
この足もと、わかりますか? へんな靴はいてますでしょ。なんか・・・ふつうの靴の先に黒いかたまりがくっついたような。タップシューズの構造を知ってる人なら「ああ、これがボールチップなのね」とわかるんでしょうけど、何も知らない人だと、もしかしたらこの黒いかたまり自身が、カスタネットみたいに音を出してるのかと思うかも知れませんね。
こういう打撃系ダンスって、「もとは木靴で音を出してた」っていいますよね(実際木の靴でカタカタやったことある人、います?)。だもんで、わたしもビデオを始めて見たとき、あのかたまりは木でできてるんだと思ってました。
"Celtic Feet"やなんかの教則ビデオを見ると、この手の靴のことを"Hard Shoes"と呼んでます。チップはグラスファイバーでできていて、特にかかとは全体が硬いので、脚を振り上げて空中で鳴らすというようなことができるわけです。
いっぽうジーン・バトラーをはじめ、主に女性がはいてるやわらかい靴は"Soft Shoes"。わかりやすいですね。
ビデオの通販でお世話になったScollanさんに問い合わせると、黒の皮靴で、グラスファイバーのチップのものが、ひもとストラップがついて70ポンドですよ、とのこと。このやりとりをした時(97年9月ごろ)の正確なレートは覚えてないけど、1ポンド200円だとしても14,000円。タップシューズより安いじゃない。よし、買った!
と、おもったら・・・。
郵便局に行って、このお店に為替送りたいんですけど、と言ったら、アイルランドには為替は送れません、という返事。「どうして?」と聞いても、そういうことになってますんで、とのこと。国どうしがそういう契約になってないってことでしょう。「どうしてなってないの」と窓口で聞いても無駄だろうと思ったので、そこで退場。結局、日本からアイルランドへの為替送金って、駄目なんだそうです。
Scollanさんたら、ビデオ買ったころはロンドンにいたのに、その後アイルランドはCounty Sligoに引越しちゃったんですよ。・・・まあ、それは、文句言ってもしょうがないです。
じゃあ、ほかの業者探してみるか、とウェブをさがしあるくと、いくつか見つかりました。その中でもいちばん充実してるのが"Rutherford Products"。ハードシューズだけでも何種類もあります。ソフトシューズも、交換用のストラップなど周辺の小物も豊富。Web上の品揃えはいちばんですね、きっと。(2003.10追記:これ、98年当時のお話。いまはいろんな業者がオンラインで通販してます)
そのうちブラウザのフォームで申し込みができるようにするみたいですけど、そうなったとしても、ファックスか郵便での申し込みをおすすめします。理由はあとで。
ちなみに、The Irish Dancer's Catalogueというサイトでは、チップが木でできているシューズが紹介されています。90ドルですって。だれか買ってみませんか? (2003.10追記:このサイトNotFound。木の靴ってどこか探せば見つかるかな?)