コラム:折り目正しい日本人(チケットのココロエ)

 
Aug. 14,1998
posted by moriy

電車に乗るとき、といっても旅行じゃなくて、もっと日常的に電車に乗るとき、切符は手に持つほうですか、それともポケットや財布に入れておくほうですか?

むかし、切符の裏が白かったころは、たいてい手に持って、4けたの数字を足したり引いたり、端っこのほうからくねくねと揉みほぐして、「ぬの〜」とかいって遊んでました。厚手の切符を柔らかくしたときの、あの繊維の感覚はよかったなあ。

あわれ巻物と化した切符

今じゃ裏の黒い面にいろんな情報が書き込まれてるもんだから、折り目とかつけたら通せんぼされちゃうんでしょうね。自動改札が普通になってからは、ポケットに入れておくことが多くなったような気がします。

切符サイドとしてはまあ、それでもいいんですけど、困るのは乗車中の指(とくに親指)の立場。なんかこう、物足りない。能力はあるんだけどそれを発揮する場がない、みたいな。

「口ざみしい」っていうけど、「指ざみしい」・・・とはあんまり言わないか。

まわりのみんなは、もうすこしガマンすればそのうち出番が来るよって言う。たしかにそうだろうし、理解もしている。けれど、いつもと同じ電車で、いつもと同じアナウンスを聞きながらふと、「俺はこんなところで埋もれていていいのか」と不安になったりするわけね。親指は。

みんなでダイナモ握って、このやり場のない指力を全車両ぶん集めれば、電車の1台くらい動きそうな気がするんだけど・・・そういうの、どお?

切符といえばもうひとつ。

高田文夫先生の本によると、「客席王」斉藤清六さんはライブに行くとき、チケットの切り離し部分に前もって切れ目を入れておくそうな。というのも、ピン札みたいなきれいなチケットだと、切るときにいちいち折り目の点線を探さなきゃいけないから。モギリの人が大変だろうっていう気遣いなんですね。

折り目正しい

こういうのって言われるまで気がつかないですからね。わたしも以後まねさせてもらってます。みなさんも・・・どうです?

あなたのこだわりは?