コラム:「発表会」を考える
「今度ライブやるんで、よろしく」なんて、レッスンの後とかに言われると、かっこいいなーって思う。
あ、チケットあまってる? ・・・うん、とりあえず一枚。
「わたしお芝居に出るんですよー」も、いい。
クッキーの一箱も持っていこうかなという気になろうというもの。
「・・・舞台あるんで」だと、ちょっとカッコつけてる感じで、やかな。「タップで舞台」とか具体的に言ってもらえるとまた違うんですけど。
さて、ここで「発表会」という言葉が出てくると、まったく異質の感触になってしまうと思いません?
チケットとか差し入れとかと直接結びつかないんですよ。
「発表会あるんで」「発表会あるんですけどー」っていわれても、「大変だねえ」で済んじゃう気がするんです。
・・・なんでだろう。
「ライブ」にしろ「舞台」にしろ、言ってる本人が積極的に制作に関わってるっていう表現ですよね。
だから、「ライブやります」というときは、その本人に何か思うところがあって、わたしは、それを伝えたいから、そうするのだ、という意志のようなものがある。だからこっちとしても、じゃあ、行こうか、手を貸そうかという気になる。・・・まあ、ならないときもあるけど。
「発表会」っていう言葉にはいまひとつその、「伝えたいオーラ」が感じられないんです。
「ライブ」、「汗」、「熱意」、「貧乏」・・・。
「発表会」、「お稽古」、「見栄」、「白い靴下」・・・。
ちょっと悪くいいすぎたかな。
発表会における出演者って、基本的にお客様ですからね。「作る」こととの間に妙に、行儀良さというか、距離感がある。舞台作る時ってたいていケンカすると思うんですけど、発表会でケンカすることないですもんね。
逆に、先生があらかじめ完成度の高い作品を用意してくれるから、限られた時間の練習でもそれなりのものが、できる。
だから、自分にハマる作品が見つかれば、発表会は楽しいですよ。