コラム:髪を切りましょう

 
Aug. 14,1998
posted by moriy

「ワンレンボディコン」 あ、こんな言葉を一発変換しやがって。

もう10年近く前の流行ですかね。電車の中で居眠りすると、こう、顔の前にすだれみたいに髪がかかって、アイマスクいらずで非常に便利だったという。(ホント?)

その当時の流行りようといったらそれはもう大変。後ろ姿で判断しちゃって、前にまわって失敗した人がきっとたくさん・・・いや、そんなことはどうでもよくて。

夏場、地下鉄って窓開けて走るじゃないですか。あれって、駅のホームからチューブに入るときと、チューブを抜けてホームに入るとき、「びぅっ!」と車内に風圧かかるんです。乗ったことある人ならわかると思いますけど。

高校1年の夏、いつもの銀座線に乗ってたときのこと。この「びぅっ!」の瞬間、向こうむきに立ってたワンレンなねーちゃんの髪が、思いっきり口の中に「ジャリッ」とかいって入ってきたんです。ジャリっとね。

そしたらこのねーちゃん、あやまるでもなく、いきなり「何すんのよアンタ」的な視線を投げつけてきたもんだから、ふだんは温厚なmoriyも「・・・っだとテメエ!!」とブチ切れて、そいつの髪をぐいっとねじって(さすがに三つ編みをする余裕はない)、お近くのつり革に通して、ギッチリ固結びして、やろうかなーっと心の中で思ったりもしたんです。ええ。

そうだ。いま思ったんですけど、まとめてねじるんじゃなくて、紙ヤスリでこすってぜんぶ枝毛にしちゃうとか、うしろからそーっと2、3本ずつランダムに結んで、こんがらがらせるっていうほうがダメージ大きそう・・・いや、思っただけですからね。

あのねーちゃんも、今頃はヒロスエかエンクミか、「ひとりでできるもん」のちびマイちゃんかってくらい短くしてたりして。流行ってのもよくわかんないですけど、みんなと同じにしようとしてそうなるのか、みんなが「いいな」って思ったスタイルがたまたま同じだったのか、どっちなんでしょう。

ところで、「Riverdance」なんかのビデオを見ていて、女性ダンサーがみんな似たような髪型をしているのが、髪フェチmoriyとしては非常に気になるわけです。

髪型

こんな感じ。髪をくるくるにカールして、バンドでまとめて後ろに持っていってるかたち。(Irish Dancing Magazineの記事によると、比率で言うと、Lord of the Danceのほうがカールしてる人が多いそうです)

「World Irish Dancing Championships」とかになるとさらに規格化が進んで、カールした髪を派手なリングでまとめてみ〜んなおんなじ。服のデザインも同じ、顔もおんなじ、に、見える。これもうルールなんでしょうね。こういうスタイルが「正しいアイリッシュです」って、どっかに書いてあるんでしょう。

「Riverdance the Story」(Sam Smith,1996 Andre Deutsch)によると、この髪型とか服の模様が広まったのは1930年代の以降のことなんですって。とくに伝統的な根拠はないらしいですけど。

コンテストでそういう格好をしなきゃいけないんであれば、そういうところのトップクラスを集めた舞台がまたそういう髪型ばっかりになるのもわかるような気がします。逆にそういう髪型にすることで「正しいアイリッシュ」っぽさを伝えようという演出なのかもしれませんし。大人数でピシッと揃った動きを見せるとき、各ダンサーは無個性の方がいいのかもしれませんし。

相撲の力士が大イチョウ結ってるようなもんですかね?(自分で書いててよくわかんない比喩だけど、「伝統」と髪型が結びついてるかなーっと・・・)

さっきの「World Irish Dancing Championships」のビデオの最後、スタッフのロールが流れているうしろで、女性が3人、普段着で、道ばたで(コンテスト会場の前かな)、踊ってるんですよ。これが、いい。ハイキックするわけでも何でもなくて、飾らないスタイルで、ポシェットとか肩から下げたまま、跳んでる。髪の飾りもはずして、うしろでまとめたり。なんかカッコいいんですよ。

コンテストの規格化された、緊張した動きを90分見せられた後だから、こういう気取りのない映像を見るとホッとするってのもあります。要はバランスですね。

たまにはショートカットの女の子をところどころにちりばめた舞台もいいんじゃないかと思うんですけど、そういうの、どうです?

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