コラム:咳のカオス理論

 
1998?
posted by moriy

後ろの席に、咳きこむひと。

たいていは女子だ。

「けほっ」

「・・・・・・」

「けほけほっ」

「・・・だいじょうぶ?」

「うん・・・だいじょぶ。」

「・・・・・・」

「けほっ」

「・・・帰ったほうがよくない?」

「ううん、たいしたことないから、がんばれるよ」

「たいしたことなかったら、そんな聞こえよがしにセキすんな! このボケ!!」

いや、失礼。

咳ってかなり消耗するでしょ。体力的にも、精神的にも。でも、咳したところで、のどの腫れが治るワケじゃない。

・・・不快感は、わかる。

不快だから、「げほ、ん、かーっ」とかいって、のどに引っかかっている、用済みの粘膜をどうにかしようとする。でも、たいていどうにもならないからなおさらイライラするし、たまにどうにかなってもその処理に困る。

それなら無駄な努力をやめて、咳は飲み込むようにするってのは、どう?

浅田飴かなんか買ってこようか?


風邪って伝染病、ですよね。

その伝染病患者を隔離しないでほうっておくってのは、国の保健政策上、大丈夫なんだろうか。

風邪をひく。頭痛がする。のども痛い。

もしそのまま学校や会社に行くとする。

外を歩く。電車に乗る。部屋に入る。

その間どれだけの人にウイルスを与えることになるんだろう?

ボーッとしたアタマで何やったって、仕事ははかどらない。勉強も身に付かない。

→ そのうち感染した部署なり教室全体の能率が下がる。

→ ほどなくその会社なり学校なりの活動が行きづまる。

→ やがて地域全体が停滞してくる。

→ 当然、日本全体の生産性が落ちる。

→ 日本経済の沈下は世界経済に深刻な影響を与える。

いいのか? ひとりの風邪っぴきを放置したおかげで世界恐慌が起こっても。

・・・ねえ。

逆に言えば、いまここでゆっくり休んで、しっかり風邪を治すことで、世界を救うことができるのだ。


「というわけで、世界平和のためにきょうは休む。あとはよろしくな」

「ずるーい!!」

あなたのこだわりは?